真田風雲録
数項前に真田十勇士が登場する「忍術大阪城」を取り上げたが、その二年後にやはり真田十勇士が登場する「真田風雲録」(63年)が制作されている。主演は中村錦之助だし、当時の東映がお得意としていた普通の時代劇大作だろうと思って、うっかり見てしまうと唖然としてしまうような作品なのである。
本作は、ミュージカル仕立てのコメディ映画とでもいうのだろうか、当時の人にはその作風は受け入れられず、とにかく不評で早々と公開が打ち切られてしまったという。
主役の佐助(中村錦之助)は超能力者で、霧隠才蔵ことお霧(渡辺美佐子)は女性だし、由利鎌之助(ミッキー・カーチス)は見た目どおり異人で、ギターを弾いて歌ったりするのだ。ちなみに後の十勇士は海野六郎にジェリー藤尾、三好晴海入道に大前均、三好伊三入道に常田富士男、根津甚八に米倉斉加年、筧十蔵に春日俊二、穴山小助に河原崎長一郎、望月六郎に和崎俊哉という面々。ちなみに本作ではジェリーと長一郎と春日は死ぬ役である。
ヒロイン役の渡辺美佐子は当時、錦之助と同じ30歳。もうちょっと若い女優でも良かったのではという気もする。冒頭で十勇士はまだ子供なのだが、佐助の少年時代を演じるのが(たぶん)住田知仁、現在の風間杜夫である。
真田幸村に扮するのが千秋実なのだが、貫禄のないとぼけたオッサンにしか見えない。もちろんミスキャストというわけではなく、最後は敵兵に「貫禄がない」とニセ者扱いされたうえ、躓いた拍子に刀に刺さって死んでしまうというドジな最後を遂げる。他にも木村重成に大村文武、豊臣秀頼に水木襄と「月光仮面」と「忍者部隊月光」が共演していたりする。千姫役には本間千代子、ラスト近くには田中邦衛も顔を見せる。
敵役として登場するのが相変わらずニコリともしない佐藤慶。十年後には「子連れ狼」で、拝一刀と柳生烈堂として錦之助と対峙することになる。そして終始佐助とやりあう服部半蔵、ボソボソと喋り見ている時は誰だかわからなかったのだが、正体は平幹二朗であった。
とまあ、タイトルや出演者からは想像できないある意味みどころ満載なカルトな作品である。現在だったらもう少し受け入れてもらえると思われる。そんなにヒットはしないだろうけれども。
本作は、ミュージカル仕立てのコメディ映画とでもいうのだろうか、当時の人にはその作風は受け入れられず、とにかく不評で早々と公開が打ち切られてしまったという。
主役の佐助(中村錦之助)は超能力者で、霧隠才蔵ことお霧(渡辺美佐子)は女性だし、由利鎌之助(ミッキー・カーチス)は見た目どおり異人で、ギターを弾いて歌ったりするのだ。ちなみに後の十勇士は海野六郎にジェリー藤尾、三好晴海入道に大前均、三好伊三入道に常田富士男、根津甚八に米倉斉加年、筧十蔵に春日俊二、穴山小助に河原崎長一郎、望月六郎に和崎俊哉という面々。ちなみに本作ではジェリーと長一郎と春日は死ぬ役である。
ヒロイン役の渡辺美佐子は当時、錦之助と同じ30歳。もうちょっと若い女優でも良かったのではという気もする。冒頭で十勇士はまだ子供なのだが、佐助の少年時代を演じるのが(たぶん)住田知仁、現在の風間杜夫である。
真田幸村に扮するのが千秋実なのだが、貫禄のないとぼけたオッサンにしか見えない。もちろんミスキャストというわけではなく、最後は敵兵に「貫禄がない」とニセ者扱いされたうえ、躓いた拍子に刀に刺さって死んでしまうというドジな最後を遂げる。他にも木村重成に大村文武、豊臣秀頼に水木襄と「月光仮面」と「忍者部隊月光」が共演していたりする。千姫役には本間千代子、ラスト近くには田中邦衛も顔を見せる。
敵役として登場するのが相変わらずニコリともしない佐藤慶。十年後には「子連れ狼」で、拝一刀と柳生烈堂として錦之助と対峙することになる。そして終始佐助とやりあう服部半蔵、ボソボソと喋り見ている時は誰だかわからなかったのだが、正体は平幹二朗であった。
とまあ、タイトルや出演者からは想像できないある意味みどころ満載なカルトな作品である。現在だったらもう少し受け入れてもらえると思われる。そんなにヒットはしないだろうけれども。