続・若い季節 | お宝映画・番組私的見聞録

続・若い季節

「若い季節」とくれば、当然「続・若い季節」(64年)である。この作品、本日CSで放送されるので、あまり取り上げたくは無かった(ネタがかぶりそうなので)のだが、まあしょうがない。
前作から二年経過しているが、冒頭は前作と全く同じシチュエーションで始まる。社長の淡路恵子がオープンカーで会社(プランタン化粧品)に乗り付けるのである。ただし、前作は外車だったが、今回は国産のスカイラインスポーツである。全部で60台くらいしか生産されなかったらしい。
二年しか経っていないのに厚化粧のせいもあってか淡路恵子が随分老けたように見える。まだ31歳だったのに。今回は主役は淡路というよりはスパーク三人娘、つまり中尾ミエ、園まり、伊東ゆかりであり、クレジットもトップにきている。プランタンの社内もクレージーキャッツや有島一郎はいなくなり、三木のり平や十朱久雄になっている。十朱は前作で松村達雄が演じていた松森専務の役で、幹部で同じ役で出ているのは営業課長の人見明くらいである。給仕役も坂本九から田辺靖雄になっている。
前作でクレージーでは唯一プランタン社員の役ではなかった谷啓が主任役で、その部下に峰健二こと先日亡くなった峰岸徹が登場する。初めて峰健二時代をまともに見た気がするが、ひ弱な感じで、演技も素人っぽい。この作品からは、後の勇姿は想像しづらい。前作では学生役だった古今亭志ん朝も社員の一人として登場するが、入社したということなのだろうか。
前作より東宝メンバーは減っているが、三橋達也が中年プレイボーイ社長で、その部下を藤田まこと、砂塚英夫が演じている。青島幸男やジェリー藤尾、そして植木等(特別出演扱い)もちょっこと登場、桜井センリも登場するのだがノンクレジットである。
NHKの「若い季節」はこの64年に終了するが、本作は三人娘のための作品といった感じである。
話は変わるが「若い季節」というタイトルの映画は51年にもあるが、全く別の作品である。出演は鶴田浩二、津島恵子、淡島千景などである。淡島千景と淡路恵子ってたまに混同するのだが(私だけか?)、それもそのはずで、淡路は淡島の大ファンだったので、芸名を淡路にしたのだそうだ。田辺靖雄とクレージー映画や若大将シリーズの脚本を書いている田波靖男も一文字違いだが、特に関係はないようである(ともに本名のようだ)。