特ダネを逃すな
しつこいようだが、記者ドラマというのは、まだまだ存在する。「事件記者」が元祖のように思われているが、「事件記者」より2年早い56年、KRテレビでスタートしているのが「特ダネを逃すな」である。ちなみにKRとは現在のTBSのことで、60年まで使われていた略称だ。
さて「特ダネを逃すな」だが、59年5月まで134回に渡って放送されているのだが、現在まず話題に上ることがない。後から始まった「事件記者」の陰にかくれてしまった感じであろうか。というわけで、詳しい内容は不明である。新聞記者なのか雑誌記者なのかもはっきりしない。
主演は佐伯徹で、前項で話題にした「怪人二十面相」で明智小五郎を演じていた役者である。この人のピークは60年代で、自分は佐伯徹を見た記憶がないし、姿を消した人かと思っていたが、役者活動は地道に続けていたようである(少なくとも90年代前半までは出演記録があった)。他の出演者だが、レギュラーかゲストかがわからない。レギュラーかなと思われるのが、「おいちゃん」でお馴染みの下條正巳、「西部警察」の係長役で知られる庄司永建、後に寺山修司と結婚した九条映子などである。出演歴があるのが、安井昌二、北原隆、中台祥浩、清水元、田中明夫、浜村純、朝丘雪路などで、浜村や朝丘などはまあゲストであろう。
脚本の長谷川公之は前項の「国際事件記者」や「七人の刑事」「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」など、最近ここで取り上げたドラマをことごとく執筆している。
実はこのドラマは映画化されており、タイトルを「恋を掏った女」(58年)という。まあタイトルを見ただけではまず「特ダネを逃すな」の映画化とはわからないと思うが。出演者はテレビとは異なっており、主演は石井竜一。誰?という感じだが、この頃大映で活躍していた役者で、主演映画も数本存在する。しかし60年代に入ると脇にまわり、60年代半ばには姿を消してしまったようだ。他の出演者は金田一敦子、叶順子、見明凡太郎、穂高のり子などである。石井と金田一は「頑張れ!健太」とか「夜の滑走路」とかでも共演している。まあどちらもよく知らないけれども。