狂熱の果て | お宝映画・番組私的見聞録

狂熱の果て

61年5月をもって新東宝は映画制作を停止し、8月に事実上倒産した。その清算会社となる新東宝本社の他、配給会社として大宝株式会社、制作会社としてNACが発足した。NACはその後、国際放映となり現在も存続しているが、大宝はわずか3ヶ月で業務停止となっており、その間に配給された作品は5本存在する。その貴重ともいえる大宝配給の作品の中から「狂熱の果て」(61年)を取り上げる。
これは当時話題になっていた六本木野獣会をモデルにした作品らしい。本物の野獣会は田辺靖雄、大原麗子、加賀まりこ、峰岸徹、井上順などが有名だが、本作にはそのメンバーで原作者でもある秋本まさみという人が出演している(本人役ではないらしい)。主演は前項と同じ、星輝美と松原緑郎に松浦浪路、鳴門洋二の新東宝勢に加えて、当時はまだ歌手という感じだった藤木孝が出演し、無軌道な若者を演じている。彼らに轢き殺される婆さんにはお馴染みの五月藤江が、他にも「七人の刑事」の堀雄二や、「三人ひろし」の一人である井上ひろしなども出演している。
鳴門洋二はこの時点で、唯一新東宝の契約俳優として居残っていた役者である。潰れた会社に残ってどうするつもりだったのかは知らないが、これを最後にテレビ界の方に移り、以前取り上げた「鉄道公安36号」で6年間レギュラーを務めている。個人的には、その顔のイメージが浮かんでこないのだが、若い頃の写真を見ると東山紀之に似ていたりするのである。あくまでも個人的な主観だけれども。