風小僧・その2 | お宝映画・番組私的見聞録

風小僧・その2

松方弘樹とくれば目黒祐樹である。兄・松方のデビューは60年と書いたが、6歳の頃から子役として活動していた目黒祐樹は入れ替わるように中学進学のため60年から休業期間に入っているのである。その直前まで出演していたのが「風小僧」(59年)である。以前書いたことと重複するかもしれないが、そこは勘弁願いたい。
これは東映テレビの制作ドラマ第1号で、目黒祐樹も初の主演であったのだが、前述のように13話にて降板してしまうのだった。ちなみに本作では目黒ユウキという片仮名名義だったのだが、それ以前は普通に本名であった。さて本作で目黒を助ける疾風之介を演じていたのがテレビ初出演の山城新伍であったのだが、目黒降板後の成長した風小僧役をそのまま山城が演じることになった。ややこしい話である。山城はこれで、大きな人気を得て、次作「白馬童子」へと繋がっていく。というわけで、「風小僧」といえば目黒祐樹というより山城新伍というのが一般的な認識であろう。
他の出演者だが、後に栗塚旭の用心棒もので活躍する小田部通麿、映画「伊賀の影丸」や「隠密剣士」で老忍者を演じた団徳麿や、五味龍太郎が東映時代に使っていた五味勝之介名義で出演している。ちなみに五味は団の娘と結婚している。他にも後の美樹克彦こと目方誠や後に「チャンバラトリオ」となる南方英二や伊吹太郎も顔を見せている。
さて、目黒祐樹は休業中はボストン大や南加大の演劇科などに留学、復帰するのは69年のことである。結構自分が子供の頃からよく見ていた感のある役者なので、10年近くも休んでいたとはちょっと意外な気がするのである。