千葉治郎クロニクル
千葉真一の実弟といえば千葉治郎である。実は五人兄弟で残りの三人は女性だそうだ。二人の年齢差は丁度10歳である。途中で矢吹二朗に名前を変えるのだが、個人的にはしっくりこないので、ここでは千葉治郎にする。この人は意外と活動期間が短く、69年のデビューで82年には引退してしまったので13年ほどということになる。矢吹二朗に改名したのは76年、つまり千葉治郎としての活動期間は7年程度しかなかったのである。子供の頃さんざん見た顔なのでもっと長く活躍していた印象がある。
69年に「ブラック・チェンバー」でデビューして、「特命捜査室」「新平四郎危機一発」「ゴールド・アイ」といったアクションドラマに立て続けに出演(いずれもこのブログで取り上げているので探してみよう)しているが、やはりその名が知れ渡ったのは「仮面ライダー」(71年)の滝和也役であろう。それ以降、特撮物の多く出演しているので、特撮俳優のイメージが強い。千葉真一との共演は結構多いのだが、最初の共演はおそらく真一主演の映画「やくざ刑事・マリファナ密売組織」(70年)ということになると思う。しかし、治郎はデビューしてまもない頃に「キイハンター」に出演しているのである。真一がそのキイハンターの撮影で骨折し、車椅子で活躍する回があるのだが、その際に車椅子シーン以外を吹き替えを担当したのが治郎で、この時すでに「共演」していたといえる。
76年に改名し、JACを抜けたのは(移籍先は丹波プロ)、兄離れ的な意味があったと思うが、それ以降パッしなかったイメージがある。そのままJACに居れば、もう少し長く役者を続けていたのではないだろうか、と勝手に思ったりするのである。