めくらのお市・地獄肌 | お宝映画・番組私的見聞録

めくらのお市・地獄肌

実は全く知らなかったのだが、前項の原作者である棚下照生と前々項の原作者寺田ヒロオは親しい友人であったということである。まあ同じ漫画家なので親交があっても不思議はないのだが、ザ・少年漫画という感じの寺田と成人向けの棚下の親交は意外な感じがする。まあ二人揃って盲目の人を主人公した漫画を描いたのは偶然なのだろうか。棚下はトキワ荘へ行くことも結構あったようだが、藤子らトキワ荘メンバーになじめなかったこともあってか、棚下とつげ義春に関しては「まんが道」を代表とするトキワ荘関連のお話に登場することはほとんどないようである。しかし近年公開された「トキワ荘物語」では棚下もつげも登場するようだ。

さて「お市」の映画版だが、4本あり「めくらのお市物語・真っ赤な流れ鳥」「地獄肌」「みだれ笠」「命貰います」であるが、その中から「地獄肌」(69年)をクローズアップしてみる。もちろん未見だが、松山容子以外の出演者は入川保則、松岡きっこ、安部徹、中丸忠雄、南廣、近衛十四郎と東映っぽいメンバーが多いが京都映画である。やはり悪役は安部徹のようだ。そして本作には原作の棚下も登場するらしい。

ところで棚下の本名は田中照生。つまり棚下と書いてタナカと読むのが正しいのであろうか。普通「タナシタ」と読んでしまうようなあ、やはり。