レーサー
前項の「シャドウマン」が始まった翌週にスタートしている番組が「レーサー」(65年)である。これはタイトル通りレーサーを目指す二人の青年の物語らしい。その二人というのが鈴木やすしと長谷川明男で、二人とも当時24歳である。この二人のドライビングテクニックは不明だが、鈴木やすしは「ザ・ガードマン」の全編ラリー車のカーアクションが繰り広げられるエピソードにドライバー役でゲスト出演していた。A級ライセンスで有名な藤巻潤の向こうをはったテクニックを披露する役である。実際に運転していたかどうかは不明だが(アクションシーンは吹替えだろうが)運転は得意っぽい。他の出演者は和田浩治、斎藤チヤ子、三保敬太郎などである。和田浩治は石原裕次郎(もちろん若い頃の)に似ているという理由でスカウトされたことは知られているが、長谷川明男も裕次郎に似ているといわれていた。裕次郎が太ってしまい、似ているという評判は次第に消え、和田や長谷川のほうがハンサムに見えるようになったと思う。三保敬太郎といえば、「11PM」のテーマソングなど作曲家としてのイメージが強いが、俳優、レーシングドライバーとしての顔も持つ。50年代終盤から60年代は結構映画にも出演しているようだが、正直顔もよくわからなかったりする。もちろんレースにも出場し、現在でいえば近藤真彦みたいなものだろうか。69年に事故死したレーシングドライバーの福澤幸雄とは慶応幼稚舎からの付き合いだったという。ホワイトキックスという一曲のみで終わったGSに在籍したこともあり、寺尾聰もメンバーであった。ちなみに脚本はあの倉本聰が担当していた。
そういえば、福澤幸雄が事故死した時、「夜のヒットスタジオ」で恋人と言われていた小川知子が泣き出したというような事件もあったなあ。