ハローCQ
東京12チャンネル(現テレビ東京)は64年に開局したのたが、この局は元々日本科学振興財団の番組制作を目的として開局したおカタイ局だったのである。 まあテレビ朝日も元はNET(日本教育テレビ)だったりと、現在の民放はカタい目的で開局しているところが多い。で開局まもない12chが岩波映画に依頼して制作されたドラマが「ハローCQ」(64年)である。タイトルから想像つくと思うがアマチュア無線のお話だ。携帯電話やインターネットの普及で利用人口は減る一方であろうが、現在でも立派に存在している。監督は羽仁進、メインライターが何故か「アンパンマン」で有名なやなせたかしである。もちろんマンガではなく脚本を書いているらしい。やなせはテーマソングの作詞も担当し、ブレイク前のいしだあゆみが歌っている。後に有名になる向田邦子や岩間芳樹も1話ではあるが担当している。主役の少年には前項で登場した伊藤敏孝、他には柳家小せん、瀬能礼子、今や名演出家である蜷川幸雄、そして荒木一郎などが出演している。荒木一郎といえば、どうも「893愚連隊」などのチンピラっぽいイメージが強いのだが、羽仁進作品では音楽を担当したりもしている。ゲストでは島かおりや子役時代の風間杜夫(当時・住田知仁)が出演している。こう書いてみると、後に有名となる人が実に多くかかわっている作品であることがわかる。しかし開局したばかりの科学専門局の番組ということもあり、あまり話題になることもなかったようだ。まあ知っている人自体貴重かもしれない。