怪奇大作戦
最近ここで取り上げたネタが勝呂誉や放送禁止作品だったりするので、ここはやはりそれらに共通する「怪奇大作戦」(68年)について触れなければなるまい。封印されているのは第24話「狂鬼人間」で、タイトルどおり気違いネタである。同じ円谷プロの封印作品では「ウルトラセブン」(67年)の12話「遊星より愛をこめて」が有名だが、その後番組である本作との大きな違いは「狂鬼人間」を収録しているビデオやLDが発売されていたということであろう。25年くらい前であろうか、突如封印され欠番扱いとなってしまったわけだが、他の封印作品に比べればその映像は手に入れやすいかもしれない(実は自分も最近YouTubeで見た)。本放送を見ていた記憶はあるのだが、子供が楽しめる類の作品ではなかったし、それほど思いいれもなかった。まさか突然封印されるとは思っていなかったので、ビデオにとって置かなかったのは失敗だったと思ったものである。まあ朝日ソノラマが出していた「ファンタステックコレクション・ウルトラQ/怪奇大作戦」(79年発売)はたまたま所持しており、それには「狂鬼人間」のエピソードも収録されているので、この頃はまだ解禁されていたことがわかる。
まあこのエピソードを解説・紹介しているサイトは結構あると思うので詳しくはそちらを見ていただくとして、ようするに精神障害者に対する差別的な発言が多いのは確かである。関係団体から抗議があり封印されることになったのかも知れないが、70年代まではそういった作品は非常に多かったと思う。当時の刑事ドラマやアクションドラマなどでも犯人が異常者であることは珍しくなかったのである。迂闊に封印すべきではないとは言えないが、逆に好奇心をあおることにも繋がってしまうと思ったりする。ちなみに「狂鬼人間」の監督は今も円谷プロに在籍する満田かずほ、脚本は山浦弘靖だが、両名とも「怪奇大作戦」での担当はこれ一作だけである。この満田に脅迫電話がかかってきた為に封印されたという噂もある。