十代の曲り角 | お宝映画・番組私的見聞録

十代の曲り角

前項であまりよく知らないと書いたハンサムタワーの寺島達夫がどんな作品に出ていたか、ちょっと調べてみた。この人はその新東宝時代においても主役ではなく、大体が準主役といった感じだったようだ。その中に「十代の曲り角」(59年)という作品があるが、ポスターでは寺島の名が2番目にきている。主演となるのはそのポスターに<十代のトップスター>と銘打たれている大空真弓だ。実際当時19歳で宝塚っぽい芸名の大空真弓が新東宝出身なのは意外に感じてしまう。デビューして2年程度で20本近い作品に出演していた売れっ子である。まあこの作品は不倫する母親(荒川さつき)に反抗して女番長になった大空真弓が売春組織から手下の不良少女たちを救うというもの。 ちなみに寺島の役柄は刑事、ポスターに<五輪のバラ娘>とあるのが手下の不良少女のことであろう。花園あやめ、松原由美子、瀬川美智子、月野百合子、九条明子といった面々だが、いずれも詳しいプロフィールは不明で、十代だったかどうかもわからないが、2年から3年程度の活躍期間で映画界を去った人たちだと思われる。他の出演者も三原純、江波志郎などあまり聞いたことのない名前が並ぶ俗に言う「十代の性典」的な作品である。