黒蜥蝪 | お宝映画・番組私的見聞録

黒蜥蝪

三島由紀夫から連想される映画といえば「黒蜥蝪」(68年)が挙げられる。この映画は江戸川乱歩の原作を三島由紀夫が戯曲化し、それを成澤昌茂が脚色し深作欣二の監督で映画化したというもの。こうやって書くととても複雑な過程を経ている気がするが、要は美輪明宏(当時は丸山明宏)の舞台を見た深作が美輪を主演にして映画化したというものである。現在は美輪といえば黒蜥蝪というイメージが定着している感もある。本来主役であるべき明智小五郎(木村功)もとても陰が薄い。何年か前になんとなく見たのだが、木村の印象がほとんどなっかたりする。 この作品で美輪はあくまでも女性であり、女装の麗人?ではないのだが、私にはオ○マにしか見えない。まあ奇麗ではあるのだけれども。歌舞伎の女形とでも思えばいいのだろう。もっとも歌舞伎をまともに見たことはないが。そしてこの作品にも三島が登場する。それも上半身裸の生人形の役だ。生来虚弱で少年の頃は「アオジロ」などと呼ばれ、俳号を自ら「青城」などとしていた三島をボディビルが変えた。その鍛えた筋肉を当時は何かと見せたがっていたそうである。それにしても美輪といい三島といい、江戸川乱歩のおどろおどろした世界には妙にはまっている。他の出演者は川津祐介、松岡きっこ、宇佐美淳也、そして丹波哲郎が「黒木」という役ででているようだ(記憶にないけど)。ご存知かと思うが「キイハンター」でも「Gメン75」でも黒木(鉄也)であった。よほど黒木が好きだったようだ。