平四郎危機一発
一度見てみたいと思っていた番組がCSでスタートした(といっても2ヶ月ほど前からだが)。それが「平四郎危機一発」(67年)である。これはあの「キイハンター」の前番組にあたるというのでTBS系の土曜21時から放送されていたはずだ。しかし制作は東映ではなく東宝である。主演は当時大人気の石坂浩二で、石坂本人が得意なフェンシングの技を使う九条平四郎を演じている。探偵物には違いないが、九条はあくまでも探偵マニアであり本業は花屋を営む青年実業家という設定だ。その彼が毎回事件に首を突っ込んでいくというある意味強引なドラマだが、そうでないと話が進まない。他のレギュラーは次の「キイハンター」でもレギュラーとなる大川栄子、そして誰?という感じの広町富雄に田中紀久子。実際にこれ以外の出演記録は見当たらなかったりする。とまあ微妙なメンバーでスタートした番組だが、当時の石坂というのは大変な殺人的スケジュールだったようで、ついには体調を崩し第8話を持って降板ということになった。主役のいなくなった番組に対して制作サイドがとった手段はキャストの総入れ替えであった。一人だけ交替するというのはたまにあるケースだが、番組タイトルや設定そのままでレギュラー総入れ替えとうのは珍しいケースだろう(まあ新企画などを立てている暇などなっかたであろうが)。広町や田中など恐らく初レギュラー作品だったと思われるが道連れになってしまったのである。
で第9話より九条平四郎となったのが宝田明である。青年っぽい石坂からアダルトな宝田へチェンジされ、キザっぽさが強調されるようになった。ヒロインも娘っぽい大川から大人っぽい雰囲気の夏圭子へと替わった。他のレギュラーは当時は人気のあった砂塚秀夫や東宝期待の若手で二代目若大将に予定されていた矢吹渡(後の浜田柾彦)や進千賀子など多少華やかな雰囲気となっている。10話には土屋嘉男や佐原健二がゲストで登場し東宝色が強くなった。兎にも角にもこうして26話を乗り切ったのである。番組そのものが「危機一発」だったのである。
ちなみに国語的には「危機一髪」が正しいので注意しよう。何故か映画やドラマのタイトルには「発」が使われることが多い。間違いやすい原因は間違いなくこういったドラマにあるのだろう。