裸の青春
「裸の青春」というタイトルだけだと日テレの青春ドラマシリーズかなと思ったり(ありません)、加山雄三主演の「高校教師」の主題歌を思い浮かべる人もいるかもしれないが(夏木マリ「裸の青春」)、65年の田村正和主演の松竹映画だったりする。当時22歳の田村が少年院を脱走してきた不良少年を演じているが、品の良いハンサムである正和は不良には見えないのである。といっても内容は純愛物で、ヒロインは市川瑛子が演じている。誰?と思ったが当時の新人で、活躍時期は65年と66年の二年だけのようで詳しくは不明である。正和を拾ってトラックに乗せてやる運ちゃんが加東大介(東宝)だが、この人は「陸軍中野学校」にも(東宝)付きで出ていたが、他社への出演が多かったようだ。工藤堅太郎がヤクザの子分で兄貴分が鹿内孝(当時はタカシ)。鹿内孝は若い頃からヤクザ役が多かったようである。ちなみに映画の主題歌を熱唱しているのは鹿内だ。
彼らの周りにる少女たちを演じるのが嘉手納清美や真理アンヌなのだが、やはり真理アンヌが目立つ。当時17歳だが妙に貫禄がある。ちなみに彼女が真理アンヌ名義で出演したのは本作が初めてだったようで、64年の「自転車泥棒」はデビー・シェス名義(本名ワサンティデビィ・シェス)で、66年の「複雑な彼」ではマリアンヌ・シェーツ名義で出演しているらしい。正和も田村三兄弟として有名だが、真理アンヌの三姉妹も有名だ。長女がアンヌで、次女がプラバー・シェス、三女が久万里由香だ。プラバー・シェスはモデルと「ヤング720」の司会などをしていたが女優活動はほとんどしていないのであまり記憶にないが、久万里由香は女番映画とかに出演していた。三人の中では一番日本人っぽい顔立ちだと思う。久万里というのは本名のスワァクマリから来ているようだ。いつの間にか真理アンヌの話になってしまった。そういえばずっと以前に取り上げた「コードナンバー108・七人のリブ」に毬杏双(まりあんぬ)という人が出ているが、この人は「アテンション・プリーズ」などに出演していた麻衣ルリ子だったらしい。今さらながら記しておく。