殺られてたまるか
前項の「拳銃を磨く男」の後に、この60年に発足した第二東映で梅宮辰夫主演で制作されたのが「殺られてたまるか」である。しかしこの作品、実は梅宮で撮られる予定ではなかった。以前「危うしGメン・暗黒街の野獣」の項で書いた波多伸二の四本目の主演映画として撮られる予定だったのである。そこでは死因はわからないと書いたが、この映画のロケ先でバイクの運転を誤り激突死したものと判明した。波多伸二は59年11月にテレビの「七色仮面」(波島進主演)に出演したのがデビューで、第二東映発足に際して「石原裕次郎に挑戦する男」というけ キャッチ・フレーズをつけてトップスター扱いで売出した新人だったのである。そして事故死したのが60年の3月で、わずか5ヶ月足らずの俳優生命であった。この翌年やはり事故死した赤木圭一郎とは対照的に、まだスターとして確立されていなかったこともあり、あまり語られることもない。代役となった梅宮は以後、第二東映(翌年はニュー東映)の主演スターの道を進むことになる。ちなみに他の出演者は三田佳子、久保菜穂子、千秋実、花沢徳衛などである。