エスパイ | お宝映画・番組私的見聞録

エスパイ

いま巷では新作の「日本沈没」が公開されているが、旧作の方は73年の公開だから、もう30年以上もたっているわけである。その時の主演は藤岡弘、その翌74年にやはり小松左京原作、藤岡弘主演の映画が公開されている。それが「エスパイ」である。今まで何故か見る機会を逸していて、先日初めて見た。一言でいえば、正義の超能力者対悪の超能力者というわかりやすい映画であった。正義のメンバーは藤岡の他には、由美かおる、草刈正雄、睦五郎、そしてリーダーが加山雄三という布陣である。これは東宝作品でありながら加山、新人だった草刈くらいしか東宝の俳優がいなかったりする。一方の悪役側は内田勝正、元ゴールデンハーフの高村ルナ、そして親玉が若山富三郎という具合である。サイコキネシス、テレパシー、テレポテーションといったお馴染みの超能力が随所に登場し、話もとても都合よく進む。外国人俳優もロルフ・ジェーサー、フランツ・グルーバー、ウィーリー・ドーシーといった70年代のアクションドラマではお馴染みの面々が登場する。脚本は「太陽にほえろ」のメインライターであった小川英、主題歌は当時ヒットシンガーだった尾崎紀世彦である。まあ「日本沈没」とは違って、単純に楽しめる娯楽作品といったところであろう。