グラマ島の誘惑 | お宝映画・番組私的見聞録

グラマ島の誘惑

川島雄三の映画って、なんとなく今まで見たことがなかったのだが、先日なんとなくCSで見てみたのが「グラマ島の誘惑」(59年)である。見て驚いたのだが、皇族と慰安婦が共同生活を送る映画とでもいうのだろうか。とにかく現代では口に出しにくい要素満載の内容である。主演の森繁久弥、フランキー堺が皇族の兄弟軍人で、桂小金治がそのお付の武官、従軍記者が淡路恵子に岸田今日子、慰安婦たちに浪花知栄子、轟夕起子、春川ますみ、桜京美、左京路子に宮城まり子、未亡人に八千草薫とこの12名がグラマ島に流れついて共同生活を行うという話である。その他にも島の黒塗りの原住民に三橋達也(顔がアップになるまでわからない)、日本に戻った森繁の相手をするマッサージ嬢(小金治の娘)に市原悦子など、45年を経た今でも活躍している顔も多い豪華なメンバーである。

メンバーからもわかると思うが喜劇映画である。皇族批判や慰安婦問題を扱っているわけではない(と思う。皮肉はこめられているだろうけど)。難しいことは考えずに「あの人がこんな役を」みたいな感じで見るのが良いだろう。前述の通り三橋の原住民とか市原の風俗嬢とか、頭の足りない宮城とか、ベテラン慰安婦の轟とか他の作品ではまずお目にかかれないはずである。