大人には分からない 青春白書 | お宝映画・番組私的見聞録

大人には分からない 青春白書

60年代の東宝を背負う若手が大勢出演しているのが「大人には分からない 青春白書」(58年)である。まあ古い映画を見てればいつも感じるのだけれども、とにかくみんな若い。特にデビューしたての夏木陽介、ここまで少年っぽい夏木を見たのは初めてに感じた。他にも団令子、白川由美、佐原健二、佐藤允、江原達怡もみんなまだまだ青い感じがする。佐藤允なんて黒縁メガネをかけている(キャラ)なので、一瞬分からなかったりする。ここにあげた面々は微妙に違う路線に進んでいる(無論共演もあるが)。夏木は60年代後半になると「青春とは何だ」の主役抜擢からテレビの仕事が多くなる。佐原は特撮路線一筋という感じだし、佐藤は独立愚連隊シリーズ、江原は若大将シリーズと、それぞれ東宝の看板シリーズで活躍する。あと瀬木俊一という役者が出ているが、夏木、佐藤と共に「東宝スリーガイズ」として売出された人である。にしてはよく知らんなあと思って調べると、60年早々に引退してしまったようである。瀬木に替わって東宝のエースとなるのが加山雄三である。

さて、この作品には60年代にはやはり主役級にのし上る中丸忠雄や若林映子などの姿も見えるが、ここでの扱いは大きくない。ベテラン勢では草笛光子、沢村貞子、杉葉子などが登場するが、彼女らもさすがに若い。よく考えるとベテランというほどの年でもない。

とにかく出演者の「若さ」を見る、そんな作品である。