助け人走る その2
前回の続きである。当時はもちろん、田村高廣が阪東妻三郎の息子であるとか田村三兄弟(実際は四兄弟)の長男で、正和と亮の兄であるとか、中谷一郎が風車の弥七の人であるとか、そんなことは意識せずに見ていた(と思う)。第2話「仇討大殺陣」の冒頭で無声映画のシーンが流れるのだが、そこで中山安兵衛を演じているのが阪東妻三郎である。個人的にはこの第2話ではまったという感じである。一回平均三人か四人を仕留めるのが普通の必殺シリーズでは珍しい大量15人が相手である。そのメンバーも千葉敏郎を筆頭に田畑猛雄、島米八、北野拓也、丸尾好広といった必殺ではお馴染みの面々である。萬屋錦之介や高橋英樹や里見浩太朗が主役のドラマなら、1分とかからずぶった斬るくらいの相手だが、この番組では文十郎と平内の二人がかりで、峠から川を渡り草原へと走り回ってヘロヘロになりながら15人を倒すのである。まあ不満を言えば平内がただぶん殴るだけというのが難点である。相手を殺す必要はないシチュエーションではあったが、すっきりしないのは事実である。ちなみにこの回の大物ゲストは志村喬で、バカ殿を演じるのは北村総一郎である。
この番組のサブタイは漢字五文字で「○○大○○」で統一されており、第1話「女郎大脱走」は女郎を脱走させる話だし、第4話「島抜大海原」は島送りになった女を自らが島送りになって助け出しに行く話しである。このようにサブタイだけでどんな話かわかるかというと、ほとんどわからないのである。まあ必殺マニアは多いのでパッと全て分かる人もいるとは思うが。ちなみに第5話のみピタリくるのが思いつかなかったのか「御生命大切」と大の字が真ん中に来ていない。一回くらいいいやという感じだったのだろうか。この回のゲストは辻斬り浪人役で津川雅彦、若い藩士役で赤い彗星のシャアこと池田秀一などが出演している。
この番組が他の「必殺」と違う点は、仕掛人にしろ仕置人にしろ公にはならない闇の稼業なのだが、「助け人」というのは表稼業としてやっているところである。殺しは「裏の仕事」として遂行され、あくまでも人助けをメインにしているところが他のシリーズとは違っている。まあ毎回メンバーの知り合いが事件に巻き込まれるというパターンよりは自然でいいと思うのである。