五人の野武士
これは68年放送の三船敏郎がテレビ初出演の時代劇として知られている(知られていないか)。この番組の最大の謎はタイトルの「五人」が誰をさしているのかということであった。第1話で登場するのは船山次郎義景(三船敏郎)、三太夫(高橋俊行)、五兵衛(人見明)、主水介(松山省二)、弁之進(堺左千夫)の五人。しかし2話で八郎太(宝田明)、3話で右近(中山仁)が登場してややこしくなる。さらに10話で新八郎(田村正和)も登場。こうなると主役級の俳優(三船、宝田、中山、正和)が四人でもう一人でるのかとも思ったが、よく考えると三船の義景は野武士ではない。レギュラーで毎回登場するのは高橋と人見だけで、次いで宝田、松山が多かった。堺は10話以降ぷっつりと姿を消したと思ったら、25話に再登場、正和はつごう3回しか登場していないが最終回は出るのか予断を許さない状況であった。結局最終話で三船に「あの五人」と称される宝田、中山、高橋、人見、松山の五人ということで落ち着いた。なんか無理矢理な感じで、制作サイドは始めからこの五人を想定していたのか疑問を感じた。ちなみに高橋俊行は当時期待の若手という感じで、後に高森玄と名前を変え「新・三匹の侍」でもメインの一人で活躍。しかしそれ以降は時代劇の悪役の一人という感じになっていった。人見明はスイングボーイズというグループで浅草などで活躍していた芸人で、クレージキャッツの映画などによく出ていたようだ。まあ自分が物心ついてからは見かけた記憶がないのだが。無論、人見きよしとは別人である。この番組で影のレギュラーといえるのが田中浩である。毎回のように違う役で出ては斬られたりしていた。毎回セリフもありちょい役というわけでもなかったのに、他にいなかったのか?