三連休の真ん中、夜の部は師匠と邦寿さんの『伝の会』でした。
平成元年に結成して、今回がファイナルライブとなってしまう長唄三味線ライブ『伝の会』
私は、当時者ではなく弟子ですが、
前日は、伝の会の昔のことばかり思い出されて、胸が一杯でした。
師匠に入門して間もなく、伝の会にお誘い頂き、一回目は客席で聴かせて頂き(たしか大塚ジェルスホール)、その後は、お手伝いで毎回行かせて頂きました。
開演前と終演後は、楽屋でお手伝いをし、開演中はいつも会場の後ろでライブのビデオを撮るのが私の仕事でした。
ライブを全部観られる、聴けるので、すごく贅沢な仕事でした。
迫力のある演奏と
抱腹絶倒のトーク。
これが伝の会の魅力。
←私の意見ですが、そう言い切っても過言ではないかと😁
長唄三味線弾きなのに、師匠と邦寿さんのトークは、本当に面白くて、よく「三味線の上手い漫才師?!」と言われたとか、言われないとか〜(笑)
曲の解説でも普通のトークでも、お客様も私もゲラゲラ笑っていたので、当時のビデオには、私の笑い声がかなり入っていると思います
そして、終わると、打ち上げへ。
大学生の私は、全く遠慮なく飲んで(ご馳走になっているのにです)←オイオイ💦
楽しく酔っ払い、しゃべり、帰りは、邦寿さんの奥様の運転で、当時の練馬の家まで送って頂いてました。(往きは、師匠の車に乗せて頂いてました。)至れり尽くせり。
その帰り道も、車の中で、今日のライブの曲、本当にカッコ良かったですね、とかしゃべる、しゃべる。
本当に、今思えば、図々し過ぎて、恥ずかしい限りです😱
でも、本当に楽しかった!!!
あの頃、伝の会がよく演奏していて、とにかくカッコ良かった曲が
綱館
鷺娘
靭猿
私の中での、伝の会三大得意曲と勝手に命名しちゃいましょうか〜(笑)
特に、綱は解説である「よく分かる長唄」もめっちゃ面白くて、大好きでした。
あと、勧進帳と
賤機帯(しずはたおび)
もよく演奏されていて、カッコ良かったなあ。
他にも沢山の曲を演奏されていたのですが、私が特に大好きだったのは、この5曲かなあ。
あ、あと新浦も捨てがたいかも。
お唄のゲストは、今でも師匠たちと大の仲良しの勝彦さん(写真左)、六ショーゴさん、三七郎さん(現在の塩原庭村さん)がメインでした。
お唄の方たちも、みんな明るくて、よくしゃべる方ばっかりで、ホントに笑いの絶えない、楽しいライブでした。(楽屋もいつもおしゃべりに花が咲いてました)
あとは、師匠の師匠である鉄十郎師匠もよく出演されていました。
鉄十郎師匠は、お酒とカラオケが大好きで、長唄を唄った後のトークで、アカペラでカラオケの曲を唄われたりして楽しい方でした
会場は、お江戸日本橋亭がメインで(あの頃は、毎月やっていたような)
南青山マンダラでもよくやりました。
他にも色んなところでやって、私も連れて行って頂きましたが、他の三味線の方々とのコラボライブで、
津軽三味線の木下さんや上妻さん、
義太夫三味線の田中悠美子さん、
浪曲三味線の国本武春さん
たちとセッションされたのも、本当に面白かったなあと思い出します。
今こうして書いていると、後から後から思い出が湧き出てくるのですが、
伝の会の一番の凄さは何かと考えますと、
それは、打ち合わせのスゴさ
ではないかと。←また私の独断ですが。
打ち合わせって、ミーティング?
いえいえ、違います。
長唄三味線で打ち合わせというのは、音と音の間に他の人が、音を打ち込んでいくことです。
つまり裏間に入れていく。
しかもそれが単音ではなく、メロディーを弾きながら裏に入れていったり、裏に2つとか3つの音を入れたり、これがホントに難しいのです。
それは、伝の会独自の技というわけではなく、みんなやっているんですが、
伝の会は、その力強さ、正確さ、速さが圧倒的にスゴイ!
超絶技巧と言ってもいい位。
なんです。
伝の会の打ち合わせを聴くと、必ず客席からため息が漏れます。
おお〜〜スゴイ!と。
(それですよね、スク☆ハジもそこを目指しているんですが…六さんは鮮やかなんですが…)
とにかく、伝の会のスゴさを一番近くでずっと見てきたんです。
だから、伝の会が活動を停止すると聞き、ショックでした。
活動停止の理由は、年を重ねて体力がなくなってきたからとか、お二人それぞれの活動が忙しくなったから、とか聞いておりましたが、
この日のライブを聴いて、
やっぱり
伝の会スゴイ!
と思ったのでした。
このブログでは、そのライブの感想を書くつもりでしたが、思い出に浸ってしまい、ライブまで辿り着けなかったので😅
ライブのことは、また改めて書くことにしますね。
では、また。