1.新「わたしの愛聴盤/曲」の選曲結果
その12 選んだ曲:ビゼー作曲“オペラ真珠採り”の中のアリア「耳残るは君の歌声」
(歌手:プラシド・ドミンゴ
動画の対象 映画「耳残るは君の歌声」の予告編
~ プラシド・ドミンゴ(テノール) 伴奏:ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
動画URL
https://www.youtube.com/watch?v=qovm9gHw1
もう一人の歌手の候補は、ベニアミーノ・ジーリだった。しかし、「耳に残るは君の歌声の」一曲を動画(YouTube)で視聴できる情報がなかったので、最後は対象から漏れた。
●旧「私の愛聴盤」では、“オペラ真珠採り”の中の有名な曲(アリア)「耳残るは君の歌声」が入っているCD(全体)を対象に選んでいた。
RCA GOLD SEAL VOCAL SERIES
BENIAMINO GILI
発売日:1990年07月
レーベル:RCA
●だから、新「わたしの愛聴盤/曲」には、このCDの記事をそのまま引き継いて載せてもよかった。しかし、新「わたしの愛聴盤/曲」では、できるだけ個々の曲にまで対象を絞る方針とした。それで、対象を「耳残るは君の歌声」の一曲に絞り、歌手もなるべく対象を絞っていくことにしていた。
ただし、この新「わたしの愛聴盤/曲」の記事では、上記のような選定となった経緯・いきさつを、やや丁寧に書いておく。それによって読者の方に、わたしの息の長い愛聴の背景、心映えがご理解いただけるのではないかと思います。
1. 事のはじまりは、日本で上映された映画「耳に残るは君の歌声」を鑑賞したこと
●ユダヤ人の娘が激動の時代を渡り歩いてゆく様を、多くの歌曲と共に描いた、オペラ劇場が舞台のフィクションドラマ映画。
(1)映画の情報●公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 2001年12月
配給 アスミック・エース エンタテインメント=角川書店
制作国 イギリス フランス(2,000年)
監督・脚本・音楽監修「タンゴ・レッスン」のサリー・ホッター。
映画上映の広告・宣伝シラシ
(2)映画のあらすじ
1927年のロシア。ユダヤ人の少女フィゲレは、村を襲った暴動から逃れ、父親とも別れて、ロンドンへ。スージーと名付けられた彼女(クレスティーナ・リッチ)は、10年後、コーラス・ガールとしてパリで働くことに。美しく野心家のロシア人ダンサー、ローラ(ケイト・ブランシェット)と知り合った。アリアの名手であるイタリア人オペラ歌手ダンテ(ジョン・タトゥーロ)の美声に惹かれるものの、その人間性に失望した彼女は、やがてジプシーの青年チェーザー(ジョニー・デップ)と恋におちる。だがナチスによる第二次大戦の影が、パリにも迫ってきた。スージーはチェーザーと別れの夜を過ごし、ローラと共にニューヨーク行きの船に乗る。ところが船は、ドイツ軍の攻撃により撃沈。スージーは助かったが、ローラは死亡。ニューヨークで、またひとりぼっちとなったスージーは、父を探してハリウッドまで行く。そしてついに、瀕死の老人となっていた父と再会を果たすのであった。
(3)わたしが映画を鑑賞した時期と感想
●公開日 が 2001年12月なので、わたしが上海の日系企業に赴任(常駐)する前の2003年ころに観たのだと思う。
・それまで、クラッシック音楽の映画、DVDというと、オペラ劇場が公演した演目をドキュメンタリーのように映画・DVDにしたもの、オペラ公演とは別の企画で制作したオペラDVD、作曲家や指揮者などの伝記ものなどが主であった。この映画はそういう映画・DVDとは目的が違った。新しい映画制作のフィールドとしてオペラ制作の現場(フィクション)を選び、そこにうごめく人たちや交流の姿を描こうとしたのだ。出演者にオペラ歌手はほとんどいない(これからオペラ歌手になろうと準備中の人間はいる)。
●映画は非常によかった。ストーリーの展開に観客を惹き込んでいく、映画創りの巧みさは、これまでのクラッシック音楽系の映画やDVDにはなかったものだ。もともと、こういうエンタテイメント映画を、映画のジャンルに登場させたいという、サリー・ホッター(監督・脚本・音楽監修)のねらいが、創り方にもズバリ表れた作品だ。
●観客にも非常な人気を呼んだ。千葉県の、ある通勤圏のまちでは、この映画の上映は3カ月におよぶロングランになったという。
●キャスティンされた俳優と“俳優 and 半歌手”は、この創作オペラ映画をうまく演じたと思う。スクリーンに向かい、わたしは演者たちの存在感を感じて楽しかった。
2.日系企業の現地法人に赴任(在上海)する2005年10月までは、「耳に残るは君の歌声」の歌を聴ける媒体としてわたしが持っていたのは、タイトルが「BENIAMINO GIGRI」のCDだけ
3.ベニアミーノ・ジーリの歌声に惹かれるようになったいきさつ
ベニアミーノ・・ジーリは、1920-1940年代に活躍したイタリア人テノール歌手。上海の勤務に就く前日本にいるとき、彼のオペラ・アリア集のCDを偶然聴いて、私はすぐ魅せらてしまったた。ドラマチックではないが、伸びがあり叙情性もただよう甘い声。そのCDの歌声は録音の古さを感じさせなかった。
4.上海のマンションの29階で暮らし、ベニアミーノ・ジーリの「耳に残るは君の歌声」の歌唱(この記事のはじめの方で示したCDに入っている)を聴きながら、自分の人生のそれからのことを考えた・・・・
●2005年10月から、上海の日系企業に就職し常駐勤務した。はじめての単身での海外勤務ということもあり、生活状況や接する人たちとのコミュケーションのつまづきなどで、気が滅入るときや気持が塞ぐときもあった。
●勤務の最初のころは、上海にもってきたCDでジーリの歌を、何度となく聴いた。
・住んでいたマンションの29階から、開発展開著しいビル群を眺めながら、「耳に残るは君の歌声」の歌唱を聴いていると、「オレは、どういうわけでここにいるのだろう」、「コレから本心どうしていこうとしているのか」、「運命とか意志は、どう自分の生き方の選択に影響しているのか自分で分かっているのか」などなどの思いがかけめぐってくる。自分でも不思議な感覚だった。
聴くことで、寂しさ、孤独感などの気持がかなり慰められたのは大きかったことと思う。音楽が人生、生活において果たす役割を実感した。
5.新「わたしの愛聴盤/曲」の選曲結果の出所説明
その12 選んだ曲:ビゼー作曲 オペラ真珠採り”の中のアリア「耳残るは君の歌声」
歌手 プラシド・ドミンゴ
動画の対象 映画の予告編「耳残るは君の歌声」
(出所)
映画「耳に残るは君の歌声」の予告編
(動画:YouTubeのURL)
https://www.youtube.com/watch?v=qovm9gHw19U
(感想)ドミンゴのこの動画での歌唱は、さすが胸を揺さぶられた。シーンの情景と情
感が、ドミンゴの張りつめたような歌唱の力で目の前に現出しているようだ。
この曲を歌う歌手の出来具合としてはベストの歌唱の記録といってよいだろう。