タイトルになっている「ロザリン・テューレック盤」のゴルトベルク変奏曲」のCDは、旧「私の愛聴盤」で選んでいる(もともとレコードは対象でなかった)。それで、新「愛聴盤/曲」でも、旧「私の愛聴盤」のCDをそっくり選定対象に引き継ぐことにした。
20世紀の偉大なるピアニストたち
~ロザリン・テューレックⅡ
1957~59年録音盤1999年9月発売
EMIC LASSICS PHILIPS
グレン・グールドの新旧CD盤は前から持っていたが、旧「私の愛聴盤」でも選定外だった。新「わたしの愛聴盤/曲」で選定対象に引き継いだのは「ロザリン・テューレック盤」である。
ただし、選定・愛聴盤になった経緯、曲の説明、愛聴対象になった理由、聴いて感じる内容などの記事文はかなり短縮する。
旧「私の愛聴盤」で、「ロザリン・テューレック盤」を選んだのは、イリーナ・メジューエワが著書「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」(講談社現代新書 2017年9月発行)の中で、「ゴルトベルク変奏曲」のおすすめの演奏としてこの演奏をあげていたからである。メジューエワはこう書いている。『音がとても美しくて、複雑なポリフォニーをはっきりと聞かせてくれます。一つ一つの音、それぞれの声部がよくコントロールされています。知的で説得力のある、示唆に富んだ、たいへん優れた演奏だと思います。』
わたしも比較して聴いて、「ロザリン・テューレック盤」の方が、グールドの新旧CD盤よりいいと思った。前者の方が、落ち着いたゆったりした気分で味わえ、かつ最後まで細部の演奏の流れが聞きわけられ飽きないのだ。グールド盤と演奏のスタイルが似ているので、彼女はグールドの影響を受けたなどと言われたことがあったが、逆で、グールドの方が影響を受けているのが事実なのだそうだ(年齢も彼女の方が上)。
「ロザリン・テューレック盤」は2枚組で、1枚目と2枚目の途中までが「ゴルトベルク変奏曲」。2枚目の残りは以下の曲である。
バッハ
4つの二重奏曲<鍵盤用デュエットNo.1> (クラヴィーア練習曲Ⅲより)
イタリア協奏曲(クラヴィーア練習曲Ⅱより)
フランス風序曲(パルティータ)(クラヴィーア練習曲Ⅲより)
これらの曲も小品ながらバッハを楽しめるいい曲、いい演奏である。
【参考】
ロザリン・テューレックの「ゴルトベルク変奏曲」のチェンバロによる演奏が視聴できるYoutube映像があるので示します。きれいな音に惹かれますし、演奏の映像も魅力的です。
1978年録音
チェンバロ演奏 Youtube URL
https://www.youtube.com/watch?v=8tgtlCbBje8