『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』(古屋星斗著、日本経済新聞出版)。
この本、面白い! めっちゃ、面白い。
思わず、膝をたたいた箇所。下記。
《思い込み》
残業を減らして、
有休をとってもらって、労働環境を改善すれば、
若手社員は定着してくれる、はず。
《データが教えてくれること》
「職場がゆるくて辞めたい」という若手が少なからず存在している。
……、いやぁ、愉快・愉快!、痛快!、そして「やっぱり!」、でした。
《思い込み》というより、マスコミのミスリード、でしょうナ。
《仕事が楽で、休みも取りやすい。
失敗なんかも許されて、みんないい人。
しかも、お給料も高い!(笑)》
そんな職場、あるわけないだろ。仮にあったとして、そんな環境で成長なんか出来ませんよ! まともな若者なら、志のある青年ならば、そんな職場は若者自ら見限ってしまうに違いありません。
若者に対する要求基準を引き下げることは、簡単です。相手を見下していればいいいのですから(「どうせコイツはダメ」、と)。若者を必要以上にちやほやするのは、かえって相手をバカにしていること、なんです。相手を尊重していることにはなりません。
このあたり、世間はどうも勘違いしているようですナ。何でも「ゆるく」すれば、若者が育つ、なんてとても経験上思えませんね。
小生、現役時代はたぶん生徒に厳しかった! 受験指導でも、生徒への要求基準は高かった。なぜなら、相手の力を信じていたからです。「キミなら出来るはずだ」「だからガンバレ」「自分に甘えるな」「怠けるな」、そう言い続けてきました。「期待!」をしていたからでした。
もし、能力を見くびっていたら、そんなことは言いません。要求などしませんよ。ほったらかしにしていたことでしょう。「好きにしたら、……」「勝手にすれば、……」で、終わりです。こちらの方がよっぽど楽ちんです。
昨今、昭和型の上司が全否定されています。能力のない人間は、自分に甘い。すぐへこたれる。昔もいまもそうです。そして、そんなダメな若者にこびへつらって、「世の中が悪い」などと吠えていれば、この先日本はどうなってしまうのでしょうか?