日本の若者が「世界」を目指さなくなった。「安全志向」にとらわれている。若者の足を引っ張っているのが、保護者であり、教員であり、安全志向の大人たちだ。そんな「大人の側の責任」にも目を向けよ!
 ざっとこんな調子で、2回ほど論陣を張ってきた。
 その一方、スポーツの分野では日本の若者の活躍がめざましい。世界をまさに席巻している!
 その筆頭はやっぱり大谷翔平選手。高校生のころから二刀流を夢見て、邁進してきた。「世界」を睨み、トップを目指してきたのが大谷だった。
 その大谷に、大人はどうであったか? マスコミはどうだったか? 野球の先達はどうだったか? 今でこそ手のひらを返して絶賛しているが、当時はそうではなかった。ズバリ、「無理無理」、「ダメダメ」、「成功などゼッタイしない」という論調が圧倒的だった。3000本安打の張本勲氏などはその急先鋒であった。
 もし、大谷が張本先輩らの「親切な」アドバイスに従っていたらと思うと、ゾッとする。間違いなく、今日の大谷は生まれていなかっただろう。もし、大谷を獲得したのが他球団だったら、二刀流を認めたであろうか? もし、栗山氏以外が監督だったら、彼の夢の方向に導いていってくれたであろうか? 
 ココで思い起こすのが、大リーグで成功した野茂英雄だ。野茂もまた、「あんな投げ方では通用しない」と、さんざんS監督(日本を代表する300勝投手)から批判され、いじめられてきた。そこで、彼は仕方なくアメリカに渡った。そして、大成功を収めたのであった。
 結果的にはS監督の「おかげで」成功したとも言える(笑)のだが、野茂が並みのピッチャーでなかったから大成功をしたのである。
 少なからぬ逸材が、こんな目に遭っている。誤れる先入観・経験則・指導で、あたら才能を開花させられなかった場合も少なくないであろう。
 スポーツの分野だと、こうして結果が目に見える。しかし、学問の分野はそうではない。白黒がはっきりしないことも少なくない。
 若者よ、「世界」を目指せ! トップを目指せ! そうして、教員を含めた大人たちよ、「世界」に目を向けた人材育成を心がけよ!

 写真。成田線、湖北駅前にて。(記事とは関係ありません)