久々のマスコミチェック。
 池井 優 慶應義塾大学名誉教授の正論「日本の若者よ、海外を目指せ」(1/25付け産経新聞)に共感・共鳴を覚えた。全く仰る通り! 高校の現場で半世紀近く過ごした小生には、よ~く分かる。思わず快哉を叫んだ。じつに、小気味よいエッセイだった。
 池井氏の一文は、囲碁の激戦地韓国での挑戦を決めた女流棋聖仲邑菫さんの話題から始まった。
 大事なのはこの後だ。
《わずか14歳であえて囲碁の激戦地・韓国で修業しようという仲邑菫に対し、海外留学を目指す最近の日本の若者の数の低下は嘆かわしい限りだ。文部科学省によると単位を伴う長期の留学生は8万人を超えた04年から減少傾向となり、この数年は6万人前後となり、新型コロナウイルスが蔓延した20年には4万人台にまで落ち込んだ。》
《日米教育委員会のまとめでは、日本から米国への留学はピークだった1997年の4万7千人に対し、2021年には1万3千人となり30%にも届かない。現在、米国で学ぶ留学生は中国29万人、インド20万人、韓国4万人のトップ3に対し、日本は8位である。》
  統計は雄弁である。「海外留学をしたいと思わない」という若者が、50%を超えているとか。
 こうした現状に危機感を抱き、これまでの対策(=経団連や各種財団の奨学金制度)に加えて、政府も遅まきながら具体的手段に着手した。岸田文雄首相を議長とする「教育未来創造会議」を創設。33年までに年50万人の留学生を送り出すことにしたという。官民協同事業の「トビタテ!留学JAPAN」もまた、返済義務のない給付型奨学金制度も実施している、ともいう。
 池井氏は続ける。「問題は若者の意識だ」と。
 氏は50年以上前の1ドル=360円時代に留学した自らの経験をベースに、こう結論づけている。
《いくら政府や民間が資金を準備しようと、問題は海外で学ぼうとする意欲のある学生がどれだけいるかだ。冒険を恐れ、なんとか生活できる日本で過ごそうとしている若い世代が多い現在の日本。》
《世界における日本の地位の低下がみられる今日、必要なのは国際的に活躍できる日本人を作りだすことだ。日本の若者よ、海外を目指せ!》