『先生が足りない』(氏岡真弓、岩波書店)を読んだ。
 読むに値しない本だった。読者にため息をつかせるだけの本だった(「なら、読むなよ!」というツッコミが聞こえてきそう、笑)。
  朝日らしいと言えば、朝日らしい。筆者は、朝日新聞の現編集委員。たしか早稲田大学卒。
  筆者は文部科学省に問い合わせ、調査票を作り、回答をお願いしてきたという。教員不足の実態を明らかにするために、日常の取材を続けながら、各自治体の教育委員会担当者等に電話して回答をお願いしてきたという。
 こういうのって、迷惑なんですよねぇ。この種の調査は忙しい現場をさらに忙しくさせるだけ。現場を分かっていない輩に限って、やたらと面倒くさい調査を押しつけてくる。しかも朝日新聞のように「正義」を振りかざしながら、「回答」を求めてくる。したがって、「くわばらくわばら」。下手な回答をすれば攻撃されるし、回答しなけりゃしないで、今度は「意識の低さ」をなじられる。朝日紙の得意技。
  唯一読めたのは、「第2章 先生不在の学校現場」。実状が分かる。
  で、本著の結論は?
 「オープンな議論が必要」。「私たちはいま、曲がり角に立っている」と。たはははは。小学生のレポート並みじゃん! 笑っちゃった。
  小生に言わせて貰えば、朝日(だけではないが)をはじめとするマスコミが、教員の誇りというものを奪ってきた。誇りがあったから、これまで先生方は頑張ってこられたのだ。その誇りを奪ってきた反省の弁がまず欲しいところ。ナント、半世紀もの間、学校を叩き続け、教員を目の敵にして吊し上げてきた結果、こうなってしまったのではないか。諸外国と比較すれば、日本の教育は世界一である。その教育国たる日本をここまでダメにした、という責任と自己批判の言辞が欲しかった。
  資料も使えない。図表が小さい。読みづらい。さらには、全部「西暦表記」になっている。学校現場は元号使用が一般的なのに、わざわざ西暦に直したということだろうか。こんなところにも筆者の底意が透けて見えた。