『同志少女よ敵を撃て』(逢坂冬馬、早川書房)を読み終わりました。

 大作です! 感想ですが、一言では述べられません。

 登場人物がみな外国人でしたから、それぞれの輪郭を把握し理解するのがまず大変でした。地理上・歴史上の基礎知識も必要とします。逆に言えば、勉強になりました。

 「アガサ・クリスティー賞大賞(第11回)」や「本屋大賞(2022年)」「高校生直木賞(第9回)」などを受賞しているようです。

 読後感ですが、出版社の解説が単純すぎて「違うな」と感じています。

 2例、示しておきましょう。
《独ソ戦が激化する1942年、母をドイツ軍に惨殺され、赤軍の女性兵士に救われた少女セラフィマは、復讐のため、訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。訓練を重ねた彼女は、やがてスターリングラードの前線へ…。》

《1942年、独ソ戦のさなか、モスクワ近郊の村に住む狩りの名手セラフィマの暮らしは、ドイツ軍の襲撃により突如奪われる。母を殺され、復讐を誓った彼女は、女性狙撃小隊の一員となりスターリングラードの前線へ──。》

 上記の記述だと、「極悪非道のナチスドイツ軍 vs 正義の味方・ソ連赤軍」といった小説だと勘違いされかねません。実際はもちろん違います。しかしながら、筆者はストーリーテラーではないような気もいたしました。

 珍しく(?)まとまらない読後感ですが、またどこかで書き留めておきましょう。