起業家のミカタ、
ライティングコンサルタントのシカタです。
毎度どうも。
今日は
最近読んだ本の感想を書いてみる。
ちなみにですが、
子どもの頃は読書感想文が大嫌いでした。
それでも『書く』を仕事にできるんだから
世の中面白いよね。
私が最近読んで
特に気に入っているのが
有川浩 著 『ストーリー・セラー』
実はこの本、
図書館で借りて読んだんだけど、
あまりにも気に入ったから
後日購入しました。
一度読んだ本をわざわざ購入したのは
たぶんこれが初めて。
さて、
気になる内容ですが、
ネタバレにならん程度に書くと、
奇病を抱えた物書きの妻と
その夫の話でして。
妻の奇病というのが
複雑な思考をすることで脳が劣化し、
いずれ死に至る
というもの。
複雑な思考をすると命を縮める。
ということは、
物書きは出来ない。
命を削って書くか。
心を削って命を守るか。
物書きの妻は書かない人生を選ぶのか？
それとも･･･。
というような小説。
読んでみて思った。
妻の生き方や在り方も素敵だけど、
夫！
夫の理解力！
夫すごい！
こんな夫欲しい！ｗ
が、
こんな理想的な夫と結ばれるには
まず自分が
この妻のような素敵な人でなくては。
私が素敵かどうかは
とりあえず置いといてｗ
プロアマ問わず
物書き女子の心にグッと来る小説でした。
で。
この本には
たくさんの素晴らしい表現があって。
私が気に入った表現をいくつかご紹介。
あたし以外の誰にも彼と同じものを背負っている顔はさせない。
苦悩する夫を支え、
寄り添うのは自分だけ。
本当の夫のことも今抱えている事情も
何も知らない人間に
わかったようなこと言われたくない。
そんな妻の強い思いが表現されている。
「あたしの怨念で死に損なうがいいわ」
病に冒された夫に向かって
物書きの妻が言い放ったセリフ。
物書きの彼女のセリフだからこそ
この表現がより生きてくる。
「元気に死に損なおうね」
先のセリフの後に出てきたセリフ。
物書きの妻らしい可愛げ、健気さを感じる。
死に損ないと悪役に罵られた主人公は絶対死なないのだ。
夫に死んでほしくない。
夫を絶対に死なせない。
この一文で
なぜ先の
『死に損なう』という表現が出てきたのかがわかる。
いやぁ素晴らしい。
ホント素晴らしい。
何が素晴らしいって
他の誰もやっていない表現。
だけど、ちゃんとわかる。
というところが素晴らしい。
ほとんどの人に理解できる、
平易な言葉の組み合わせで新しい表現をし、
かつそれが的確。
こういう表現が出てきた時、
その出処が自分であっても他人であっても、
私は歓喜する。
いやこの気持ちは感謝かもしれない。
･･･と、
この本を読んでいて
そんなことに気付かされた。
いやホント
ほとんどの人に理解できる、
平易な言葉の組み合わせで
的確な表現をする
というのが
本当に文章の上手い人のすることだな
と思う。
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