ここからは「なぜなぜ分析」の活用方法について
見ていきたいと思います。
「なぜなぜ分析」とは、トヨタ生産方式の一環として
問題を発見したら、なぜを5回繰り返すというものです。
一般的に5回「なぜ」を繰り返すと根本的な原因に
たどり着くことができると言われています。
その理論に基づいて、前回の投稿にある③の理由に対して
あと4回「なぜ」を繰り返します。
正直な所、感情に対して5回「なぜ」を繰り返すのは
#123にある「抑圧」によって
無意識にそこに目を向ける事に抵抗している場合もあり
思う様に進まない事が多いです。
その場合#157にある
「自分が困る事に繋がる」
「自分の価値否定に繋がる」から理由を考えたり
#162の 「マズローの5段階欲求」を参考にして
更に内省を深めながら理由を探していきます。
そして、④や⑤の理由が
「欲求」「自分のものの見方や捉え方」「自分の性格」に
由来する理由に行き着く事が多く、
⑥や⑦の理由が
それらが形成されるに至った、過去の記憶や生い立ちに
行き着く事が多いと考えています。
ただ、④や⑤、⑥や⑦がそう言った理由にならなかったとしても
全く問題ないので、そのまま進めて下さい。
そして前回の投稿にある「特性要因図」と同じ様に
別々の②「不快な感情」に対して
共通する様な理由が複数上がっている場合は
そこが重要な原因である事が特定できます。
それでは例として#1の投稿の内容を基に
「なぜなぜ分析」をしていきたいと思います。
① (派手な高齢女性を目撃する)
②-1(イラダチ)
②-2(困惑)
②-3(疑念)
③-1(目障りに感じる)
③-2(自分の当たり前から大きく外れた人を見た為)
③-2(その人の価値観がわからない)
④-1(平穏な日常を暮らしたい)「安全の欲求」
④-2(自分と同じ価値観の人達と暮らしたい)「社会的欲求」
④-3(自分の価値観が正しいと思っている)「承認欲求」
※私が正しいと主張する時、私が正しいと認めてほしい欲求が
その奥にあると考えています。
⑤-1(幼い頃、平穏に暮らせなかったから)
⑤-2(価値観の違う人といると言い争いが起きると思うから)
⑤-3(今の価値観の自分でいる時に母に褒められたから)
⑥-1(両親がケンカをする度に萎縮して苦しかったから)
⑥-2(両親が価値観の違いでよくケンカをしていたから)
⑥-3(母が私も同じ価値観でいる事を望んだから)
⑦-1(両親のケンカに対して自分は何も出来ずに耐えていたから)
⑦-2(両親がお互いの価値観を認める事ができなかったから)
⑦-3(母にとってその価値観が正しい事だから)
これは流れをわかりやすくする為のフィクションですが
この様に「なぜ」を繰り返す事で原因の本質に
辿り着く事ができます。
補足として、全てが「なぜ」を5回繰り返す事が出来ないかも
しれませんが、答えが浮かばない時はより本質的な内容に
辿り着ける可能性があるので、5回を目標として下さい。
ただ、出てきた理由に納得感がある場合は
5回繰り返さなくても大丈夫です。