「…ねえ、誰が彼女をこんな風にしたの?」
僕が問いかけると、バットを持ったリーダーらしい男子が答えた。
「見りゃ分かるだろ。俺たちだよ」
確かに見れば分かることだった。
僕は反省する意思があるか聞きたかったんだけど、まあいいや。
「彼女から離れなよ」
僕はトンファーを構えた。
「僕の学校を荒らすのは校則違反だよ」
「そんな校則今知ったぜ」
「それは君達が愚かだからだよ」
「んだとこの野郎!」
「よって、制裁を加えよう」
僕はまず一番近くに居た奴をトンファーで吹っ飛ばした。骨が折れたような音がしたけど、後で救急車呼ぶからいいか。
「てめぇ、やりやがったな!」
バットやら何やら色々持ってたやつもいたけど、僕は遠慮なんてしないでどんどん咬み殺していった。
所詮、バットなんて持ってても本人が弱くちゃただの棒だよ。
楽しめると思ったけど、残念だな。
気が付くと、みんな地に伏せていた。
僕が冷めた目で見下していると、僕の足元のやつが動いた。
「(まだ気を失ってなかったんだ)」
そう思い、頭を上げようとしたコイツの頭を思い切り踏んでやった。
「あっ…雲雀さんっ…もう、いいです」
僕がコイツの頭を踏んだ瞬間、彼女が言った。
「…何で?こいつらは君を傷付けたんだよ…それ相応の制裁を加えないと」
「で…でも、いいですよ…」
「君、なんでこんなにイジメに遭うの?」
「それは…私がみんなに馴染めなくて…友達もいなくて…一人だったから」
「…ふぅん」
そう、彼女は一人だった。
一人だった故に、いい標的になってしまったのだ。
つまり、僕と同じで一人。
なおさら君に興味が湧いた。
「ねえ、君」
「え、わたし…ですか?」
「そう君。風紀委員に入りなよ」
「…え?」
「普通は女子は入れないようになってるんだけどね。君は特別」
「そっそんな恐れ多いです!」
「そうすれば僕が君を守れるでしょ…」
「わっ…え?なんか言いましたか?」
風で聞こえなかったのかな…まあいいや。二度もあんなこと言わないよ。
「なんでもないよ。それじゃ、明日から授業終わったら応接室に来てね」
「あ!ひ・雲雀さん!」
「…何?」
「これからよろしくお願いしますね!」
僕が強制的に入れたのに、お礼を言うなんて変な子だね。
益々君に興味が湧いたよ。
―――これからは僕が君を守ってあげるよ。
この気持ちに嘘はない。
だけど愛もないよ。
あるのは君への興味だけ。
だからこれ以上の関係は期待しないで。
僕は君の期待には応えられないから。
僕は君のことが好きだけど
愛してはいないんだから…
雲雀さんで甘夢を目指したはず…