フュージョンの身売り話宙に浮く
東京電力グループの通信会社フュージョン・コミュニケーションズの身売り話が宙に浮いている。売却先として本命視されていたADSL(非対称デジタル加入者線)大手のイー・アクセスが28日、「交渉は打ち切った」と発表した。フュージョン株の過半を持つ東電子会社のパワードコムとKDDIとの合併が1月に迫っており、合併構想から外れたフュージョンの身寄り探しは早急な仕切り直しを迫られる。
フュージョンは00年、日商岩井系の通信会社として設立。IP(インターネット・プロトコル)電話で全国一律3分20円という格安料金を打ち出した。しかし、他社が追随値下げしたほか、加入者間無料のIP電話の普及で業績が圧迫された。04年にパワードコム傘下に入り、てこ入れを図っていた。
しかし、KDDIと東電がパワードコム合併の交渉を進める過程で、KDDI側が「事業の重複が大きい」などの理由からフュージョン吸収を固辞。東電はイー・アクセスに白羽の矢を立てて交渉したが、金額面などで折り合わなかったとみられる。
フュージョンはサービスは変わらず続けるとしている。東電は新たな売却先を探す必要があるが、場合によっては1月の合併に合わせてフュージョンを傘下に引き取る可能性も出てきた。