空気の記憶 | バイオリニスト椿太陽の日常

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皆さま、こんにちは。



空気が冷たくカラッとしてくると、「あぁ今年もコンクールの季節がやってきた」と未だに思ってしまう。
高校時代に毎年とあるコンクールに出ていた。まだ残暑が厳しい時期に予選があり、この時期に本選だった。

全4部門が行われ、各部門の一位の中から更に総合一位が決められる。

1年、2年とずっと二位が続いて悔しかったので、3年こそは!と一位を狙っていた。




当時ソルフェージュとピアノを師事していた先生が色々とお力を貸してくださいました。

様々な先生のレッスンに連れて行ってくださったり、300年前のイタリアンオールドバイオリンとフレンチの名弓を貸してくださったり。

ドイツのツァック教授が来日して公開レッスンを行ったときも、受講させてもらう手配をしてくださいました。ヨーロッパの先生のレッスンはこのときが初めて。驚いたのは音色が柔らかいこと!
え!?バイオリンってこんなに優しい音なの?って。
大きな身体に、大きな手。ちょこんとバイオリン抱えて身体を揺さぶったりなどせず楽々と難しいパッセージを弾いている姿にカルチャーショックを受けました。当時の僕は全身を動かして渾身の力を込めて弾いてましたから笑笑
そんな僕の弾き方を心配してくださったのか、ツァック教授が「日本にいる間にもう一度あの男の子にレッスンしたい」と言ってくださったらしく、後日ツァック教授を訪ねました。
そこで「いかに無理なく自然に弾くか」「エチュードは一番大事」ということを強調して仰っていました。
楽器の構え方から教えて下さり、伝統的なドイツ奏法を伝授してくださったのです。それは日本で習ってきたものとは全く違うものでした。
服の下にクッションを入れて肩当てはせずに持つのが良いとも教えてくれました。「シェリングもスターンもオイストラフも皆んなそうしてたよ」と。



そんなこんなで、、、
ここまでお世話になってしまったら、一位以外は取れない!ってもの凄いプレッシャーなわけです笑笑



当日舞台袖でガチガチに緊張していたのを覚えています。たしか、音に集中する為にコンタクトを外して何も見えない状態にしてたんじゃないかな、、?
いざ出番になり、イタリアンオールドバイオリンを携えてステージに出ると緊張も震えもピタっと収まったんです。楽器がパワーくれたのかな。


結果発表で一位に自分の名前が呼ばれたときは、安堵感しかなかったです。嬉しいなんて気持ちは一切なく、とにかくホッとしたのを覚えてます。総合一位もいただくことができました。
応援に来てくれてた後輩と帰りにマック寄ったのが懐かしい。




で、事件は次の日に起こりました!


朝のホームルームが終わった途端、クラス全員が僕の方にバッと向きました。



僕は一番後ろの一番窓際の席だったから逃げ場がありません。



え!?俺なんかした?!
ってビビってると、爆音が、、、、!!







たくさんのクラッカーのリボンが教室を舞い、「太陽おめでとうー!!」ってみんなの声。


サプライズ過ぎて状況把握できるまで時差が
笑笑


あのときはメッチャ嬉しかったな〜!



前日の夜に結果出て、その時点でそのこと知ってるクラスメイトは2、3人で。次の日の朝によく全員揃って祝ってくれたな〜。



この季節になるとあのときのクラッカーの香り、毎年思い出す。







↑2年前にやった同級生3人でのコンサートに、同級生が聴きに来てくれました。

来年2月のコンサートもこの3人でやるよん♪




椿 太陽