地方のミニシアターが企画した映画が、静かな広がりを見せている。北海道函館市で11月に先行公開される「海炭市叙景(かいたんしじょけい)」(熊切和嘉(くまきり・かずよし)監督)は開催中の東京国際映画祭で上映されるほか、20年も前に書かれた原作が文庫化されて重版となるなど、じわじわと話題が浸透している。
映画は、5回も芥川賞候補になるなど活躍が期待されながら、平成2年に41歳で自殺した函館市出身の作家、佐藤泰志(やすし)の同名短編集が原作。疲弊した地方都市でごく普通に生きる人々を描いた作品で、舞台となる架空の町「海炭市」は函館市がモデルになっている。
佐藤の死後の3年に単行本として出版されたものの、長く忘れ去られていた原作に目をつけたのが、同市で座席数71の市民映画館「シネマアイリス」の代表を務める菅原和博さん(54)だった。
「函館が舞台の映画は多いが、どれも外の人が描いた函館。この原作はこの町に暮らしている家族の顔をリアルに描いている。これが函館なんだという映画を作りたかった」と菅原さん。
佐藤の高校の同級生らに協力を呼びかけて映画製作の実行委員会を組織する一方、たまたまシネマアイリスに映画を見にきていた熊切監督に企画を話したところ、原作を読んだ監督から「ぜひ映画化したい」との言葉をもらう。賛同したスタッフ、出演者が集まり、映画化が進んだ。原作も10月6日に小学館文庫から出版が決まり、初版1万5千部が1週間後には5千部の増刷となった。
「20年前は東京はバブルだったが、函館はすでに景気がよくなかった。今は全国的に不況で、だから今の方がリアリティーがあるかも」と、佐藤と同じ函館出身で文庫化を企画した小学館コミュニケーション編集局のプロデューサー、村井康司さん(52)。
映画公開前の意外な盛り上がりに、菅原さんは「とにかく原作の力が大きい。地方に関心を持ってもらうきっかけになるという点で、地方発信映画の新たな可能性かもしれませんね」と話している。(藤井克郎)
引用:函館モデル「海炭市叙景」 東京国際映画祭で上映(産経新聞)
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映画は、5回も芥川賞候補になるなど活躍が期待されながら、平成2年に41歳で自殺した函館市出身の作家、佐藤泰志(やすし)の同名短編集が原作。疲弊した地方都市でごく普通に生きる人々を描いた作品で、舞台となる架空の町「海炭市」は函館市がモデルになっている。
佐藤の死後の3年に単行本として出版されたものの、長く忘れ去られていた原作に目をつけたのが、同市で座席数71の市民映画館「シネマアイリス」の代表を務める菅原和博さん(54)だった。
「函館が舞台の映画は多いが、どれも外の人が描いた函館。この原作はこの町に暮らしている家族の顔をリアルに描いている。これが函館なんだという映画を作りたかった」と菅原さん。
佐藤の高校の同級生らに協力を呼びかけて映画製作の実行委員会を組織する一方、たまたまシネマアイリスに映画を見にきていた熊切監督に企画を話したところ、原作を読んだ監督から「ぜひ映画化したい」との言葉をもらう。賛同したスタッフ、出演者が集まり、映画化が進んだ。原作も10月6日に小学館文庫から出版が決まり、初版1万5千部が1週間後には5千部の増刷となった。
「20年前は東京はバブルだったが、函館はすでに景気がよくなかった。今は全国的に不況で、だから今の方がリアリティーがあるかも」と、佐藤と同じ函館出身で文庫化を企画した小学館コミュニケーション編集局のプロデューサー、村井康司さん(52)。
映画公開前の意外な盛り上がりに、菅原さんは「とにかく原作の力が大きい。地方に関心を持ってもらうきっかけになるという点で、地方発信映画の新たな可能性かもしれませんね」と話している。(藤井克郎)
引用:函館モデル「海炭市叙景」 東京国際映画祭で上映(産経新聞)
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