鎌倉山ロータリーへ続く道は桜が多い

朝日に照らされた満開花の中を進んで行く


稽古場は

歴史的建造物に指定されてもいいような建物

母屋は吉村順三

茶室は中村外二



約20年空き家になっていたらしいこの建物は中村好文によってリノベーションされて蘇った

茶室は狂いもなくさすが先代中村外二の仕事


この稽古場には建物に相応しい

クセのある人達が集まる


その頭は愛するべき爺

現役時代は世界を股にかけて飛び回り

大きな仕事を次々と成し遂げた

60才で大病を患い現役を退くも

持ち前の気合いで病を克服して

80才を過ぎた今も精力的に活動をしている


この何に置いても敵わない爺が

なぜか私を先生と呼び

色々と応援してくれる


稽古に来る皆さんはそれぞれの世界を持ち私より人生経験豊富な猛者ばかり

やっと最近年下のお弟子さんが入った


稽古場というのは色んな人の手助けを借りて続いている

前の日にきて掃除など準備をしてくれて

朝は建物の鍵を開けてくれ

来る人たちの送り迎え

お昼の用意や会計など

頭が下がる思いです


この爺

数年前手術をした

その数日前に稽古があり

万が一のことがあればもう会えないかもしれない

そんなことがあった

そんな時は私とは茶の湯で繋がっているので

一服差し上げて無事の帰りを祈るしかない

次があるのかわからない

もしなくても後悔をしないよう

気持ちを込めて一服差し上げた

あんなに真剣に点前をしたのは後にも先にもこの時だけ


無事に帰ってきてくれて今でも元気にしてくれている

私が逆立ちしても敵わない知識と経験を持つこの爺

いつまでも知恵袋でいて欲しいと思う


もうあのような気持ちで点前はしなくはない


この爺が正座のできなくなった仲間を気遣い

自作で立礼卓を作ってくれた

畳の上での点前になるべく同じようにできるよう

気を配って考えてくれた


今月は釣釜に旅箪笥

小間には少し窮屈かもしれないが

この密着感も悪くない


写真を撮り忘れたのでお弟子さんのInstagramから頂きました


この日は久しぶりにこの爺を囲んで

新入生とご飯を食べた

ほぼ爺の独演会だが

元気な証拠だ


父親は早くに失ったが

この爺も父親代わりの1人

さて親孝行はできているのだろうか