茶事について

鎌倉では去年の夏に茶事稽古を始めました
口切からは毎月しています

コロナ以前にはなかなか出来なかった茶事ですが
お弟子さんの方から

茶事稽古がしたい
普段の稽古と茶事稽古を関係付けた内容にしたいとリクエストがあった
大変嬉しいことでお受けして今に続いています

長く稽古をしていると毎年の繰り返しになります
大きな変化もなく稽古が続いていきます
私も忙しさから茶事のことを疎かにしていました

茶事が茶の湯の完成されたものだと思います
普段の稽古は茶事の割稽古です

ただし茶事ができるようになるのが稽古の目的ではありません
茶事を通してお客に「何か」を伝えることが
茶事の目的だと思います

一座建立と昔からいいます
茶の湯を通じて亭主と客が通い合うこと
それが茶事の目的です

そんなに大層なことではなくていいと思います
亭主の気持ちが伝わるかどうかです

ここにも
亭主の心構え
客の心構え
が必要です

お互いに気持ちを受け取り合います
右左の所作に気を取られていると
肝心な相手の気持ちに集中できません
その所作を日頃の稽古で身につけていきます

茶事稽古では徐々に
亭主には自分の思い入れを持って茶事に臨んでもらおうと思っています
それは前もって準備をして
心構えを作っていくことも含まれます
道具の中に何か自分の好きなものを入れるのもいいでしょう
稽古で使っていた物で自分の好きなものを使うと気持ちもいいですね

茶事は亭主と客で作るものです
稽古では点前には懸命になります
お客の時は「お休み」の方が多く見られます

タイミングを間違うとその日はお菓子は食べられない
というようにしないとお客を懸命にしてもらえないでしょうか
強い反発が怖いので実行はできませんが

話をしていても
道具を見ていても
正客に座るとその座の役割は果たさないといけない
それも稽古です

楽しむ
の中には
やるべきことはやる
その範囲の中で楽しむことが
本当の楽しむことだと思います

コロナが明けて茶会が増えてくると
今のように茶事ができなくなるかもしてませんが
先のことは考えず
今できることをしていきたいと思っています