今日の箇所(第一列王 7:1-22)には、自分の栄光ではなく、神様の栄光を表すことこそが、神のしもべとして立てられた者の使命であることが示されています。

 

ソロモンは、神殿と並んで、自分の宮殿も建てます。 宮殿建築の話は、神殿建築の話の間に挟まれています。 これは、美しく建てられた神殿に劣らず、宮殿も豪華に建てられたことを表しています。

 

宮殿は、13年もかけて建てられ、すべての柱と梁、天井、床までレバノンの杉材を用いた最高級なものとして造られ、別名、富と栄華を象徴する「レバノンの森の宮殿」と呼ばれます。 3段からなる宮殿の規模も相当な大きさでした。

 

ソロモンは、妻であるファラオの娘のためにも似たような宮を建てます。 貴重な石や杉材をふんだんに用い、豪華に建てられた宮殿は、神様がソロモンに与えられた富と栄光を国々に見せつけることになります。

 

ここで再び、神殿建築へと話は戻ります。 ソロモンは、ツロから「ヒラム」を連れて来ます。 ナフタリ部族出身の母を紹介していることには、ヒラムがイスラエル人であることを示す意図があります。 ヒラムは、青銅の細工について知恵と英知と知識を備えた人物で、幕屋の用具を作ったベツァルエルを連想させます。

 

巨大な2本の青銅の柱は、ヤキン(「彼が建てる」という意味)とボアズ(「力をもって」という意味)と名付けられます。 ヤキンとボアズを合わせて読めば、「彼が力をもって建てる」という意味となります。

 

この2本の柱は、荒野でイスラエルを守り導いた火の柱と雲の柱を象徴化したもので、神様が御力をもってイスラエルを救い、守り、建て上げてくださることを忘れないようにさせるためのものでした。

 

王国継承直後のソロモンは、神様から与えられた富と栄光を享受しつつも、神様の栄光を讃えようとする姿勢を持った、真に知恵ある王でした。

 

自分が計画し、実行したようでも、実はすべてを備えられたのは神様であることを認め、告白したいと思います。 使命を担う者に求められているのは忠実さであることを憶え、神様のご計画を成し遂げることに心を尽くすことができますように。 自分の力で何でもしようとする傲慢さを捨て、共に働く同労者と力を合わせて働くことができますように。 御霊の照らしと導きがありますように。