時計の針をずっと眺めた。

何度眺めても、針のスピードは遅く思える。

あなたを忘れたい、けれど忘れられない。

そんな葛藤と朝まで闘うしかない。

窓の外は赤く染まってきた。

私を涙をこらえて朝焼けを睨んだ。

by手嶋純

北風で枯葉がぐるぐると回っている。

分厚い鉛色の雲が頭上を覆いつくす。

気まぐれに舞い落ちる、

粉雪が髪に張り付く。

あなたに恋しても、

未来はないかもしれない。

けれども、

私は春までじっとあなたを待ち続けたい。

 

by手嶋純

 

 

 

誰も知らない海を見たい

春、海も光り輝いているはずだ

沖をゆっくりと進む貨物船を眺めては溜息をつく

そんな春の午後に憧れる

潮騒を聞いているだけで心が和む

都会の喧騒も仕事も忘れて、海と向き合うのだ

疲れた恋は海に捨て去り、真っ白な気持ちで都会に戻る

私の春は恋との別れが前提である

波の飛沫の中をカモメ達が嬉しそうに飛びまわる

そう、誰も海にはいない 私一人の世界が広がる

潮風が頬をくすぐるたび、私は涙を流す 

明日にでも荷物を抱え、海に会いに行きたい

今、私をひきとめる人は誰もいない

海辺の町は静かな春を迎えているはずだ

何も聞かれず、私は孤独な夜を数えたい

海、それは私の心を映し出してくれるはずだ

 

by手嶋純