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北風で枯葉がぐるぐると回っている。
分厚い鉛色の雲が頭上を覆いつくす。
気まぐれに舞い落ちる、
粉雪が髪に張り付く。
あなたに恋しても、
未来はないかもしれない。
けれども、
私は春までじっとあなたを待ち続けたい。
春、海も光り輝いているはずだ
沖をゆっくりと進む貨物船を眺めては溜息をつく
そんな春の午後に憧れる
潮騒を聞いているだけで心が和む
都会の喧騒も仕事も忘れて、海と向き合うのだ
疲れた恋は海に捨て去り、真っ白な気持ちで都会に戻る
私の春は恋との別れが前提である
波の飛沫の中をカモメ達が嬉しそうに飛びまわる
そう、誰も海にはいない 私一人の世界が広がる
潮風が頬をくすぐるたび、私は涙を流す
明日にでも荷物を抱え、海に会いに行きたい
今、私をひきとめる人は誰もいない
海辺の町は静かな春を迎えているはずだ
何も聞かれず、私は孤独な夜を数えたい
海、それは私の心を映し出してくれるはずだ
by手嶋純


