英語力がある程度備わっていても、なかなか英語を話さない子がいます。
一方で、語彙力はそれ程身についていなくても、躊躇なく英語を話し始める子もいます。
通常、語彙力などの英語力は会話力と比例するものですが、それでも、子どもが英語を実際に話し出すタイミングはまちまちです。
英語圏の教育現場で、よく使用される表現の中に scaffold と threshold というものがあります。
Scaffold とは、工事現場などで使用される「足場」ですね。
丁寧な足場は、安全な工事現場の基礎ですよね。
全ての建築物は、この工事現場の足場が基本と言えますね。
同様に、私たち教師ができるのは、この scaffold の役割なのですね。
しっかりと基礎を固めてあげる。
ただ、threshold というのは、子ども一人ひとり異なります。
日本語では、敷居、境界線とか、しきい値、基準値などと訳されますが、ある一定のラインを超えると変化があるが、それ以下だと変化は見られない、ということ。
なので、無意識に threshold を高めに設定している子は、なかなか英語を発しませんが、逆に設定が低いと割とすぐに英語を話すようになります。
しかし、英語を話し始める時期=ある一定の英語習熟度とはならないので、複雑ですね
自分の threshold を決めるのは子ども自身なので、英語が出るかどうかは、その threshold を果たして超えたかどうか、という差なのです。
そのため、英語力がついていると判断してアウトプットをせかしてしまうのは、かえって逆効果。
子どもはすぐに英語が話せるもの、と思われがちですが、深刻な場合、大人が何気なく発した一言がトラウマの原因になることも。
下手な英語を話すくらいなら話さない方が良い、と思う子もいるのです。
大人も同じですよね
その子にとって最高の舞台を築いてあげるような、そんな気持ちで見守る。
子どもは、脇役(意外にもこれ重要です!)や衣装、舞台装置などが一通り揃って初めてステージの上で輝けるのです
その子が、真の意味で、自信をつけた時が、その子にとってのベスト・タイミング
どんな子どもにもベストなタイミングがある。
それは、その子が最も輝けるその子にしか分からないベスト・タイミング