TCKにとっては、非常に重要なことなのですが、意外にも、本人はあまり自覚していないのが「自分の居場所」 (TCKについてはこちら)
私もそうでした
私は、今まで色々な国に住みましたが、その多くは、親に連れられたり、夫の仕事の関係に伴う移動でしたが、考えてみたら、唯一、自分の意志で住んだ国は、留学先として選んだアメリカのみ
アメリカといっても、とても広いので、白人のたくさん住む保守的な地域に住むのと、色々な人種が集まる大都市とでは生活もだいぶ違う。
私は専攻がバイリンガル教育なので、そういう教育が盛んな都市部を中心に留学先を選んでいたので、最終的にニューヨークに行き着きました
ここで、自分の希望する勉強ができただけではなく、心の居場所、居心地の良さ、という自分探しの最終到達点にも辿り着きました
不思議なのですが、私は、ニューヨークで感じた居心地の良さを経験したことで、初めて今までの自分はどこか無理をしていたり、居心地の良い場所に決していなかった、ということに気付かされたのです
それを実際に自覚したことがなかったのです
私は、小さい頃から、不整脈があり、常に脈が飛ぶ感覚があったのですが、大学生の頃、たまたま別のことで訪れた病院で、それが「異常」であると指摘されて、これは皆が経験する「普通」のことではないことに、初めて気付いたのです
これは、まさにニューヨークで感じたことと共通するのです
心地良さを痛感して、初めて今までの生きづらさというものを実感できたのです
だからこそ、一見、大丈夫そうなTCKのアイデンティティーには、周りの大人が敏感になってあげたいですね
自分でも気付いてないことが、後々、大人になってから別の形で浮上することもあるので、子どもが「英語ができるから大丈夫」「お友達がたくさんいるから大丈夫」という思い込みは要注意です
「英語」や「お友達」が仮面になってしまってる場合もあります
よりグローバルな時代になり、今の子どもたちは幸せだなぁと思いますが、自分のそうした心の揺れに気付いていない子もいます
自分探しが目的ではなく、あくまでもプロセスの一環であり、そこから学べることを精一杯、吸収することだと思います
私は、25歳の時に、初めて、自分が自分であっても良いという、一見、普通のことに気付きました
それは、ニューヨークの街が教えてくれたこと