以前、Leo the Late Bloomer という絵本を紹介しましたが、これは遅咲きのレオ君のお話です。
「できない」あるいは「上手にできない」という面だけに焦点を当ててしまうと、できる可能性のある「見えない」部分を見落としがちです
今日、ご紹介するのは、Leo the Late Bloomer と似た視点で描かれているThe Dot (by Peter H. Reynolds) という絵本
両作品とも、子育て中のお父さんお母さん、そして毎日子どもに接する職業の人には是非、手に取ってもらいたいのですが、特にThe Dot では、先生の機転が何とも素晴らしい
「できない」という生徒に対して「もうすでに出来ているもの」の価値や魅力を本人に認識させ、自分の資質や能力を、別の角度から見ることによって、自分を再発見していく過程が素敵に描かれています。
「少し努力すればできるようになる」ものは、やはり「努力しなければ到達はしない」のですね
重要なテーマを描いた作品ですが、何よりも子どものまだ見えていないポテンシャル(潜在能力)を信じて、見守る大人の姿勢も大事ですね
ロシア人の発達心理学者のヴィゴツキーVygotsky (1896-1934) が提唱したZPD (Zone of proximal development 最近接発達領域) の概念に通じるものがあると思うのですが、「できない」を「できる」に移行させる大人の役割って、私たちはもう少し意識して子どもに接するべきだなぁと思うのです。
それが、小さな一言だったり、ちょっとした声かけだったりすることもあるわけですが、親や教師、あるいは身近にいる大人が常にその *teachable moment* のアンテナを張っていると、子どものポテンシャルも、いつでもどこでももっと伸ばせるのだろうなぁと思います。
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Teachable moment とは、伸ばせるはずのポテンシャルを、実際に伸ばす機会を見逃さない、ということになりますでしょうか
潜在能力とは、まだ見えていないだけで、それを「見える」ものにするのも、我々おとなの大事な役目ですね
英語を教える際、いつも心がけていることです
私は、大学の同級生Mちゃんに、出産祝いに、この本を贈ったのですが、高校で英語を教えている彼女は、生徒たちと一緒にこの絵本を読んだとのこと
素敵な活用法ですね
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この絵本、谷川俊太郎さんが翻訳され、「てん」という邦題で出版されています