昨日のブログでカズオ・イシグロに触れたが、イシグロさん同様、日本で生まれ、海外で活躍している作家の中に、Allen Say という絵本作家がいる。

 

 

Allen Say は、自身の経験もあり、「異文化理解」をテーマにした絵本が多く、特にGrandfather’s Journey(おじいさんの旅)はCaldecott 賞を受賞しており、絵も素敵なのですが、「アメリカにいる時は、日本を恋しく思い、日本にいるとアメリカが恋しい」という、外国で暮らしたことのある人だったら誰もが感じるであろう「心の揺れ」を見事に描写している。

 

Allen Say は、絵本作家としてデビューした当初から、このGrandfather’s Journey の構想はあったと言い、ずっと自分の中で温めてきた作品だと語っている。

 

Grandfather’s Journeyに登場する「日本に馴染めないでいる娘さん」のその後がTea With Milk という作品で描かれており、自分が最も居心地が良いと感じる環境を求めていく。

この女性こそAllen Say 自身の母親であり、Tree of Cranes という絵本にも登場する。

 

イシグロさんもそうだが、Allen Say のインタビューを聞いていると、全て英語なので、日本語は話さないのだろう。

両者とも日本人でありながら(少なくとも生まれは)、アイデンティティという、とても主観的なものを、それぞれの作品に反映させ、今は英語を表現方法として使用しているところが、とても興味深い。

 

「おじいさん」が残してくれたものを、自分が絵本という形で次世代へ残せる喜びを語るAllen Say の言葉が何とも印象的だ。

 

Caldecott 賞は、アメリカで出版された絵本の中から、毎年、最も優れた作品に贈られるものなので、英語の絵本をどう選んだら良いか分からないという人には、一つの基準になるとは思うが、その受賞作品をどれだけ気に入るかは、それぞれの感性によるところが大きいと思う。

人は感受性が一人ひとり違うように、受賞作に対する評価も人それぞれで良いと思う。

 

五感をもっと大切に☆

↑この記事にも共通するところがあるが、むしろ、自分の感性にしっくりくるものを選んでみるという選択も、とても大事なような気がしますピンクハート

 

自分の直感を信じてみる、ということですが、直感を信じるには、まず五感を磨くことかなぁ~と思いますキラキラ