目は怜悧に輝き
お下げのはっぴは、良く似合う
黄昏のなか、一人立ってるは
その子、多々良姫

万葉の宴から、いでし子か 
古風な影を持ち
憧憬の眼差しには、いにしえが移り
過ぎし日を哀れんでか
彼方を見ては涙を流す

……とわの日の
       移ろいゆくは
             人ごころ……


その子、はたち 
可憐なる、白い歌姫