2024年7月9日
「下諏訪宿」は中仙道で唯一温泉のある宿でした。
今も町には銭湯がいっぱいあります。
町の真ん中にある「菅野温泉」(すげのおんせん)通称「すげのゆ」
明治19年の創業です。
建物は古いです。
昭和30年代から変わっていないような気がします。
わたしは、赤ん坊の頃から10歳くらいまで、通っていました。
路地を入るとぷーんと温泉の匂いがしてきます。
昔は右側に、小さなお店がありました(衣料品店だったかな?)
温泉地で、家庭には内風呂がなかったので、みんな銭湯に来ました。
入口には額がかかっています。
番台は昔のまま。
入浴券280円を買います。
誰もいなかったので写真を撮りました。
昔のままの脱衣場!
オープンな棚、古くて木肌が擦り切れています。
天井が高いです。
エアコンはないけど、扇風機の風が心地いい。
脱衣カゴに衣類を入れて。
台の上で、赤ちゃんを寝かせて、脱がせたり着せたり。
今はオムツの子は銭湯に入れないのかな?
昔のままの浴場です。
楕円形の湯舟の真ん中にかけ流しの温泉が出てます。
泉質はナトリウム・カルシウム=硫酸塩・塩化物温泉。
下社近くの旦過の湯(たんがのゆ)から引いている。
源泉は52.8度。
旦過の湯は下諏訪で一番熱い銭湯です。
42~43度 熱い!
皆平気で肩まで入っている
わたしはお腹まではいるのがやっと
天井が高くて気持ちいい。
昔は混んでいたので、湯舟の周りに座って体を洗いました。
そして、知り合いの人たちが、お互いに背中を流して
「おざっとだでね」と言う光景がありました。
ここでは、入る時に「こんにちは」とか「こんばんわ」
出る時に「お先に~」とか「おやすみなさい」の挨拶があります。
知らない人同士でも挨拶をする慣習が残っていました。
カランとシャワー付きの洗い場。
昔は、この場所はなかなか取れず、大人の専用場所でした。
左側は立って洗髪できる場所。
昔は、髪の長い人は洗髪券の木札を置いて、ここで髪を洗った記憶があります。
木の桶だったので、ヌルヌルしていたし、
椅子などなくて、正座か立膝で座っていた記憶。
地元の小学生が描いたポスター。
銭湯が生活の中にある子ども達
出入口付近に椅子があって、汗をふきとりながら世間話。
夫婦でキャンピングカーに乗って全国の温泉巡りをしている方とお喋り。
町の案内所で「菅野湯」を教えてもらって来たそうです。
「昭和の雰囲気が一杯で、感激しました」とのこと。
「泉質もよくて、体が温まるし、いい温泉ですね」と。
ツバメの巣が一杯あって、ヒナの成長を見るのも楽しみです
この銭湯に来ると、昭和時代にタイムスリップしたようで、
心もほっこりします