老いを充実させる 人生を振り返ってみると、子どものころは親が育ててくれました。学校に通うようになれば、教師が育ててくれます、仕事や家庭を持つようになれば、今度は社会が育ててくれます，つねに、周囲から、私たちは育てられてきたのです。それも羅針盤付未知の世界を走り続けてきたのですしかし、60歳(還暦)らは誰も育ててくれません。「育てられる」とは反面その範囲の中で生きることを求められていたのがなくなるということです。子育ても終え、子離れをして、老いを充実して生きるための時間を費やせるときが始まるのです。これからの大人の人生が充実するかどうかは自分が育てます。
空の巣症候群 子どもが可愛くない親はいません。躾だ、進学だと子ども中心の生活から、大人になれば巣立っていくのだということだけは忘れないことです。こんな当たり前のことを忘れている人が多いようです。手塩にかけた子どもが結婚して家を去ったあと、残された親は心にポッカリと、穴が空いて、急に老け込んだという話をよく見聞きします。しかも50歳も過ぎれば、仕事上の義務や責任も次第に減っていくのでしょうか、会社での存在が希薄になってくる時期なのかもしれません。公私とも生き甲斐を失って、いったい自分の人生は何だったんだろうか、気持ちが孤独に落ち込むのが、この年代の特徴のように思います。
老いては子に従え 昔は子だくさんの家庭が多く、出ていったきりの次男がいれば家を継ぐ長男がいたり、出戻りの末娘がいたりして、家が❝空の巣❞になることはありませんでした。親がいくつになっても、誰かしら手のかかる子どもがいたのです。それが親の生き甲斐で、親の存在価値でもあります。と同時にそれは、子どもたちのだれかが親の老後をみてくれるということでもありました。ところが、今は違います。ということは、60歳からの新たな人生を楽しく幸せに暮らすためには、精神的な意味で「子離れ」が重要なテーマになってきます。そして、なにかといえば、子どもに期待をかけ過ぎないことです.
❝愛は無償のもの、老後の世話を期待するのは愛ではなく打算です･･･❣❞