続きです。
案内の次の日、ピカ母から身分証明書をもらうために待ち合わせの駅に行きました。
するとそこにピカ君も自転車でやって来ました。
お母さんは「蓮さんは忙しいからね」とピカ君に言いながら少し焦っています。
とりあえず身分証明の写真をその場で撮らせてもらうと、昨日申込んだ物件はキャンセルしたいと。
最後に見た部屋にしたいとの事です。
理由は、申し込んだ物件は、近隣をお巡りさんが自転車でよく巡回しているのを知ったとのこと。
不審者に見られるので職務質問されるからということでした。
それでは最後に見た物件にしましょうねと言い帰ろうとすると、ピカ君が私に話があるのでお母さんには先に帰るように言っています。お母さんは焦りながら帰りました。
聞き取りにくいほどの声で私に話し初めたのですが、、
「新人さん、、名刺もくれなかったですね。暑い中物件を見て回ったのに飲み物も用意されてなかったし、、車に乗る時ドアを開けてもらえず、『乗ってください』でしたし、お客さんと思ってもらえてないんですかね」と。
つまり私に対する不満でした。
新人は名刺は渡さなかったのですが、会社に名刺を置きっぱなしで当日家から直行した為、持っていませんでした。
しかし首から社名入りの名札はぶら下げており、出会った時も「〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と笑顔で丁寧には挨拶しています。
車のドアの件は、本来なら新人が二人を連れて車まで来て、後部座席のドアを開けて乗ってもらう予定でしたが、親子が先に直接車に来てしまったため、私もつい車の窓を開けて、「どうぞー後ろに乗ってくださいねー!」と言ったのです。
だからピカ君は険しい顔をしていたのだとわかりました。
お母さんがドアを開け先に乗りましたがピカ君はなかなか乗ろうとしませんでした。
お母さんに乗るように言われ乗りましたが、ドアを閉めません。
お母さんが「ドアを閉めなさい」と言っても閉めませんでした。
そこへ新人が来てからピカ君が自分で閉めたと思います。
暑い日でしたが、通常こんな時、お客様用にお茶を用意する事はないです。
私はピカ君から不満を長い時間聞いてから別れ、すぐにお母さんに電話をしました。
すると、前日お母さんにも同じ事を(私に対する怒り)を話したそうです。「自分の口から言いたかったのだと思います」と母。
「私どもに不信感がおありなら他の不動産屋さんにお世話にして頂いてもよろしいですよ」と私は言いましたが、
お母さんは「すみません、すみません、息子はわがままなので」としか言わず、最後に見た物件を申込みたいと。
「息子には、『飲み物なかったのは、お母さんの仕事が昼からあったので、急いで蓮さんが案内してくれたからよ。新人さんはまだ名刺ができていなかったのかもね』と言ったんですよ」と言うのです。
「お母さん、わがままと言うのではないです。病気のせいでそのような思考になると思うんですよ。だからピカ君が悪いわけではないのですけど、、」と私は言いましたが、
夫、長男夫婦、ピカ、みんなの機嫌を取りながら私にも断られたら困るので的外れな言い訳の「すみません」
哀れに見えました。
そしてピカの病気はできるだけ隠し、(世間にも家族にも親戚にも)
バレないように一人暮らしをさせる。

結局申し込んだところ、審査も通り、借りられる事になりました。
そして、明日うちの事務所にお母さんと二人で契約に来られます。