こんばんは。半月

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第46回試験・専門知識


今回は、本文を読みながら、(a)(b)(c)の空欄に入る適切な語句を考えてみます。

(a)
まず、「図によると、図1の梅雨前線に沿って九州の西に(a)が発生している。」とあります。

 

図1の地上天気図と図2の気象衛星赤外画像で九州の西の海上に着目しますと、特に梅雨前線上の小低気圧付近を中心として巨大な雲の塊があることがわかります。

 

梅雨期の日本付近では、東シナ海付近などで大きさや発達のステージが異なるいくつもの積乱雲で構成されて巨大な雲の塊を形成することがあり、大雨をもたらすことがあります。このような雲の塊のことを「クラウドクラスター」とよんでいます。

 

(テーパリングクラウド(にんじん状雲):気象衛星センターHP >画像活用>衛星画像の特徴的パターン>にんじん状雲 より)

 

一方、上図に例示していますように、赤の丸で囲った付近で雲が発生するところでは、対流活動が活発で、「にんじん状」の雲域の穂先付近(雲域の風上側)で積雲が発生して次第に風下側に移動しながら積乱雲へと発達して強雨・雷・突風・降雹などを伴う特徴があります。このような雲域のことを「テーパリングクラウド」とよんでいます。

 

したがって、(a)クラウドクラスターとなります。

 

(b)

次に、「図3によると、レーダー降水強度が強い領域の南側に南西の風50ノットの(b)気流が観測されている。」とあります。

 

日本付近において、特に活動の活発な梅雨前線が停滞しているとき、その前線に伴う集中豪雨域の近傍の700hPa~850hPa付近の大気下層において局地的な強風帯が形成され、30m/s以上の風速が観測される場合があります。この強風帯を「下層ジェット」とよんでいます。

 

図3によりますと、レーダー降水強度が強い領域の南側の鹿児島付近では、高度1500m付近で50ノットの南西の風が観測されていることがわかります。

 

したがって、(b)下層ジェットとなります。

 

(c)

最後に、「図4によると、900hPaより低い層に相当温位340K以上の暖湿な空気が流入しており、900〜700hPaの層は(c)になっている」とあります。

 

図4の黄色で示された相当温位の鉛直分布に着目しますと、本文のように、下層に暖かく湿った空気が入り込む場合、もしくは上空に冷たく乾燥した空気が入り込む場合といった理由で、下層において高温・湿潤な空気、上層で低温・乾燥な空気となって、温位(相当温位)が高度とともに低くなるような気層になることがあります。このような状態のことを「対流不安定」とよんでいます。

 

したがって、(c)対流不安定となります。

 

よって、正解は、⑤ということになります。

 

では。バイバイ

 

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