こんばんは。キラキラ

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第61回試験・実技試験1・問3

 

今回は、図9の22日21時以降で風が観測された高度の上限がそれまでより大きく低下していることについて、その理由として考えられる八丈島上空での大気の状態の変化を図8に見られる気象状況にも言及して述べよ、ということで問題文の内容から、専門知識で学習した「ウィンドプロファイラ観測の特徴」と、図8から読み取れる「風が観測された高度の上限が大きく低下した要因の2つのアプローチに分けて考えて整理してみたいと思います。

 

ウィンドプラファイラは地上から上空の5方向(鉛直と東西南北の仰角80°)に向けて波長22cmの電波を発射して、ドップラー効果による周波数偏移を検出することで、上空の風向・風速を測定する観測機器です。

 

これによる観測によって上空の空気が水蒸気や降水粒子で多く存在している状態ですと、散乱されて戻ってくる電波が多く、そのため高い高度まで観測できますが、逆に乾燥していますと、散乱されて戻ってくる電波が弱くなり観測高度が低くなる傾向があります。ウィンドプロファイラ観測は高度が300m間隔で観測され、一般的に降水のないときは約3~6km、降水時は約7~9kmまで観測が可能です。

 

すなわち、図9とウィンドプラファイラ観測の特徴から得られる知見として、観測高度が22日20時の5.4km付近から以降、急激に低下して2.5km付近まで低下した要因として、上空から乾燥した空気が八丈島付近に流れ込んできたと考えられます。

 

次に、この変化をもたらした気象状況について図8から考えて見ますと、観測高度が低下し始める22日21時ごろでは、実況が予想図通りになったと仮定しますと、850hPa面の前線上にいちしていることがわかります。さらに23日9時で見ますと、八丈島は低気圧やそれに伴う寒冷前線の後面で下降流域にあることから、低気圧後面の下降流によって乾燥した空気が八丈島の高度2.5km付近まで入り込んできたため、と考えられます。

 

以上の2つのアプローチから得られた知見を50字程度でまとめますと、

 

低気圧後面の下降流により乾燥した空気が21時以降、八丈島上空の高度2.5km付近まで入り込んだため。(50字)

 

(気象業務支援センター解答例)

低気圧西側の下降流によって乾燥した空気が、八丈島の高度約2.5km以上の上空まで達したため。(48字)

 

ということになります。

 

では。バイバイ

 

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