こんばんは。星空

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第61回試験・実技試験1・問2

 

まず、今回のようなトラフ解析の問題につきましては過去に何度も問われていますので、解析の留意点を整理しておきたいと思います。

トラフ(気圧の谷)は周囲と相対的に低圧な領域をいいます。基本的にはその領域は500hPa等高度線では曲率の大きな部分を結んだ線として解析することができます。

トラフは低気圧の中心を起点として解析することが多いです。ここから曲率の大きな部分を結んで延ばしていくわけですが、注意すべき点はトラフが存在するのは正渦度域ですので負渦度域にまでトラフを解析してしまいますと、トラフを理解していないものと見做されてしまいますので延ばした先の正渦度域と負渦度域の境界である渦度0線、すなわち500hPaの強風軸にあたるところまでで止めておきましょう。

最後に、等高度線の曲率の大きな部分が不明瞭である場合もよくあります。この場合は正渦度の極値を含む正渦度の強い領域に対応させて解析します。

 

以上をふまえて今回の問題のトラフA

の24時間後の予想位置、およびトラフBの12時間後と24時間後の予想位置を解析してみます。

 

【図6(上):12時間後のトラフB】

図3(上)の現況のトラフBを見ますと、5400m〜5640mにかけての等高度線の曲率は浅く、渦度が+185×10-6/sを極値とする正渦度の強い領域にも対応してトラフが解析されていることがわかります。

 

これを参考にしながら図6(上)で特に正渦度の強い領域を追跡しますと、

中部地方付近の渦度が+153×10-6/sを極値とする正渦度の強い領域があり、等高度線の曲率の大きいところが浅いながらも認められることから、日本海中部から東海沖にかけての正渦度域対応させて解析しますと上図の青い実線の位置になると考えられます 。

 

【図7(上):24時間後のトラフB】

さらに図7(上)で24時間後の正渦度の強い領域を追跡しますと、三陸沖に低気圧が発生する予想となっており、等高度線だけではさらに浅まって解析は困難ですが、その低気圧の中心付近から+386×10-6/sを極値として南東方向に延びる正渦度の強い領域に対応させますと上図の青い実線の位置になると考えられます。

 

【図7(上):24時間後のトラフA】

まず図6(上)のトラフAの12時間後における予想位置を見ますと、4980m〜5160mにかけての等高度線の曲率が大きい部分と、+167×10-6/sを極値とする正渦度の大きい領域に対応させて解析されていることがわかります。

 

次に図7(上)で追跡しますと、等高度線の曲率が大きくなって深まっており、+196×10-6/sを極値とする正渦度の強い領域に対応させて解析しますと上図の赤い二重線の位置になると考えられます。

 

以上をまとめて解答用紙に記入しますと以下の解答例のようになります。

 

では。バイバイ


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