こんばんは。流れ星

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第61回試験・専門知識




今回は、本文を読みながら、下線部の正誤を考えてみます。

まず、「図Aでは、太平洋赤道域かの中部から東部の海面水温が(a)平年より高く、エルニーニョ現象発生時に見られる特徴が予想されている。また、インドネシア付近からインド洋東部にかけては平年並みかやや低い予想となっている。」とあります。

図Aの、海面水温平年偏差予想図のインドネシア付近からインド洋東部付近に着目しますと、海面水温の平年偏差は0℃前後、あるいは若干の負偏差の色分けがされていることから、本文の通りの予想となっていることが読み取れます。

これを参考にしながら、太平洋赤道域の中部から東部にかけての海面水温についてはどうなのか見てみますと、暖色で示された正偏差域が太平洋赤道域の中部から東部にかけて延びているいることから、海面水温が平年より高く、エルニーニョ発生時の特徴を表しています。具体的にエルニーニョ発生時は平常時とどう異なるのかについて下図に示しています。

 

 

エルニーニョ現象が発生している時には、東風が平常時よりも弱くなり、西部に溜まっていた暖かい海水が東方へ広がるとともに、東部では冷たい水の湧き上りが弱まっています。このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも高くなっています。エルニーニョ現象発生時は、積乱雲が盛んに発生する海域が平常時より東へ移ります。

 

(気象庁HP: 各種データ・資料>地球環境・気候>エルニーニョ/ラニーニャ現象>エルニーニョ/ラニーニャ現象に関する知識>エルニーニョ/ラニーニャ現象とは より)

 

したがって、下線部の内容は正しいとなります。

 

(b)

次に、「図Aの海面水温分布に対応して、インドネシア付近からインド洋東部にかけては降水量が平年より少ない予想(図略)であり、このことが影響して、図Bでは、中国大陸から日本付近にかけての流れは平年に比べて(b)中国大陸では北に、その東側では南に蛇行する予想となっている。」とあります。

 

下線部(b)に蛇行とあることから大気の流れについてわかる資料として図Bに着目し、中国大陸から日本付近にかけての流れについて見てみます。この図の見方として、図の下の※の脚注に「流線関数と風の関係:風は流線関数の等値線に概ね平行に、数値が小さい側を左に見る向きに吹く。」とありますので、これに従って見てみますと、大気の流れは中国大陸においては南に蛇行する形となり、その東側では、北に蛇行する形となることが読み取れます。

 

したがって、下線部の内容は誤りとなります。

 

(c)

最後に、「図Cでは、(c)日本付近は正偏差に覆われており、平年に比べて寒気が南下しにくいことが予想されている。」とあります。

 

図Cの日本付近に着目しますと、暖色で示された正偏差域に覆われていることから、平均気温が高いと予想されており、平年と比べて寒気が南下しにくいと考えられます。

 

したがって、下線部の内容は正しいとなります。

 

よって、正解は、②ということになります。

 

以上で、第61回試験の学科試験の問題は以上となります。次回からは、引き続き第61回試験の実技試験の問題を採り上げて考えていきたいと思います。

 

では。バイバイ

 

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